不動産取得税は相続でかかる?注意点と軽減方法を紹介

竹中啓倫税理士事務所
監修者
竹中啓倫税理士事務所 税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫
最終更新日:2023年09月19日
不動産取得税は相続でかかる?注意点と軽減方法を紹介
この記事で解決できるお悩み
  • 相続で引き継いだ不動産に取得税はかかる?
  • 不動産取得税の支払う時期や期限はある?
  • 不動産取得税がかからないケースはある?

不動産取得税とは、土地や建物など不動産を購入した場合に課税される税金です。

本記事では、相続で引き継いだ場合の課税の有無について説明しています。最後まで読めば、相続で引き継いだ不動産に取得税がかかるケースとかからないケースの違いがわかります。ぜひ参考にしてください。

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相続した不動産に取得税はかからない

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不動産取得税とは、不動産を取得する際に発生する税金で、取得した不動産の価額に一定の税率をかけて計算します。通常課税されるのは、不動産を購入したり、贈与されたり、遺贈されたりする場合です。

相続した不動産は、原則として非課税の取り扱いになります。被相続人の死亡によって法定相続人に移転するものであり、財産の取得ではないという考えに基づいています。

相続した不動産に取得税がかかる4つの例外ケース

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不動産取得税の非課税の原則には、以下の4つの例外があります。

  • 法定相続人以外への特定遺贈
  • 生前贈与
  • 死因贈与
  • 相続時精算課税制度の活用

以上に該当していれば、不動産取得税の課税対象です。不動産の価額は、基本的には固定資産評価額と同じですが、相続や贈与などで取得した場合は、相続財産評価額や贈与財産評価額となります。

不動産取得税の納付期限は、市町村から納付通知書が送られてきた日から2カ月以内です。納付通知書が送られてこない場合も、自分で確認して納付しなければ延滞金が発生します。

1. 法定相続人以外への特定遺贈

法定相続人とは、民法で定められた相続順位に従って相続する人のことをいい、配偶者や子ども、親などが該当します。法定相続人以外への特定遺贈とは、遺言で法定相続人ではない人に特定の財産を遺贈することをいいます。

対象者は、2015年1月1日以降に直系尊属から20歳以上の人です。特定遺贈を受けた人は、遺言で引き継いだ特定の財産を取得したとみなされ、不動産取得税が課税されます。

相続税の計算方法

相続税は「相続財産評価額 - 基礎控除 - 法定相続分控除 - 特別控除 × 課税率 - 累進控除」で計算します。相続した不動産が住宅用地や住宅用建物であれば、特別控除や特例措置が適用される場合があるため、注意が必要です。特定遺贈を受けた人は、遺言で引き継いだ特定の財産を取得したとみなされ、不動産取得税が課税されます。

2. 生前贈与

生前贈与とは、被相続人が存命中に自分の財産を他人に無償で譲渡することです。生前贈与により不動産を譲り受けた場合、被相続人からの不動産を取得したとみなされ、不動産取得税が課税されます。ただし、生前贈与によって相続税を節税することも可能です。

3. 死因贈与

通常贈与と同じ不動産取得税が課税されます。死因贈与は、贈与者と受贈者間での贈与契約です。相続により発生した不動産の取得に関する取得税は非課税ですが、贈与の場合は異なります。死因贈与の場合、相続が発生した際の登録免許税よりも税金が高くなる特徴があります。

4. 相続時精算課税制度の活用

相続時精算課税制度とは、贈与者が生きている間は2,500万円まで贈与税を納付せず、贈与者がなくなった際に相続税として一括で納付する制度です。贈与を受けた人は、その財産を取得したとみなされ、不動産取得税が課税されます。

贈与財産の贈与時の価額と相続財産の価額を合計した金額から相続税額を計算した結果、相続税が発生しない場合は贈与税の対象外です。

不動産取得税の計算方法

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不動産取得税は、取得した不動産の価額に一定の税率をかけて計算します。税率は土地と建物で異なり、土地の場合は、都市計画区域内では3%、都市計画区域外では2%です。建物の場合は、新築住宅では1.5%、新築住宅以外では4%です。

不動産の価額は、基本的には固定資産評価額と同じですが、相続や贈与などで取得した場合は、相続財産評価額や贈与財産評価額となります。

不動産取得税の計算方法

たとえば、延べ床面積が50岼幣240岼焚爾任△訃豺隋1,200万円を控除したうえで計算してみましょう。自宅建物の床面積が210屐固定資産税評価額が1,100万円とします。210屬箸い広さは、240岼焚爾任△襪燭1,200万円の控除対象です。「(1,100万円 - 1,200万円)×3%=0(マイナスになるため)」という計算式で不動産取得税が求められます。

不動産相続時に発生する3つの税金

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不動産を相続した際に、不動産取得税以外に発生する税金は以下の3つです。

  • 登録免許税
  • 相続税
  • 固定資産税

たとえば、生前贈与を行う際には、不動産取得税だけではなく贈与税や登録免許税なども考慮する必要があります。

登録免許税

登録免許税とは、不動産や船舶、航空機、会社、人の資格などの登記や登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定および技能証明について国に納める税金のことです。登録免許税は、登記や登録などを受ける者が納付する義務を負います。相続した不動産の所有権移転登記を行う場合も登録免許税の対象です。

登録免許税の税率は、所有権移転登記の場合は0.4%です。相続した不動産が住宅用地や住宅用建物であれば、登録免許税が軽減される場合があります。

参照:国税庁「No.7190 登録免許税のあらまし」

相続税

相続税とは、被相続人が死亡したことによって発生する財産の移転に対してかかる税金です。相続した不動産も相続財産に含まれるため、相続税がかかり、相続した財産の価額に応じて税率が変わります。

相続税を計算するには、相続した財産の種類や価値を把握する必要があるでしょう。相続税には、一定の控除や軽減措置が適用できます。

申告や納付は、相続が発生したことを知った日から10カ月以内に行わなければなりません。相続税は、財産の承継に伴う公平な負担と社会的な再分配を目的としています。

参照:国税庁「No.4102 相続税がかかる場合」

固定資産税

固定資産税とは、土地や建物などの固定資産を所有していることに対してかかる税金です。相続した不動産も固定資産に含まれるため、固定資産税がかかります。

固定資産税は、毎年1月1日時点での所有者に課税されます。1月1日以前に相続した不動産は、その年の固定資産税を相続人が納付しなければなりません。この場合、被相続人の遺産から固定資産税を差し引くことができます。

参照:総務省「固定資産税」

まとめ

原則、相続した不動産に取得税はかかりません。例外となるケースでは、相続時でも不動産取得税が課税されます。これらの税金は、取得した不動産の価額や種類、取得した時期や方法などによって異なります。

住宅用地や住宅用建物などは、軽減措置や特例措置の適用対象です。不動産相続時にかかる税金を正しく理解し、節税対策を行うことが重要です。必要に応じて専門家に相談する選択肢も検討しましょう。

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監修者のコメント
竹中啓倫税理士事務所
税理士・米国税理士・認定心理士 竹中啓倫

岐阜県出身。上場会社の経理に勤務する傍ら、竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。M&Aなどの事業再編を得意とし、セミナーや研修会講師にも数多くあたるほか、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。税理士会の会務では、名古屋税理士協同組合理事を務める。

不動産取得税は、不動産を購入された場合、忘れたころに通知が来て、支払うように促されます。たまに、この話を聞いていなくて、後々トラブルになるケースも聞いたりします。

それ以外にも、相続税対策として、お持ちの不動産の名義を移した際に、所得税はかからなかったんだけど、不動産取得税がかかったということで、問題になる場合も時々聞きます。

相続税対策で、名義をご子息やお孫さんに移したりする場合があります。ご自身の不動産を元気なうちに下の世代に移して、個人の相続税を軽減することはありますが、盲点となっているのは、相続では不動産取得税は課税されませんが、贈与等によって名義を移した場合は不動産取得税の対象となってしまうケースです。

確かに所得税や相続税・贈与税はかかてこないが、不動産取得税がかかってしまったという笑うに笑えないケースもありますので、対策を立てる場合には、税理士等にご相談の上、実行するようにしてください。
比較ビズ編集部
執筆者

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