ECサイトにKPIは必要?設定の注意点3つからポイント・検証方法まで解説
- ECサイトにおけるKPIとは?
- ECサイトのKPI・KGI設定で必要なことは?
- ECサイトにおけるKPI仮説検証方法は?
ECサイトはKPI・KGIを活用して目標設定することが重要です。売上・マーケティング・カスタマーサービスの目標に対する進捗状況の把握に役立ちます。
この記事では、ECサイト運営で目標設定をしたい方に向けてECサイトのKPI・KGI設定での注意点を紹介します。
KPI3つの基本項目や設定のポイント、検証方法についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
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ECサイトにおけるKPIとは:重要業績評価指標
KPIとはKey Performance Indicatorの略で「重要業績評価指標」のことです。目標を達成するプロセスでの度合いを、計測・監視するために置く定量的な指標を意味します。
KPIの設定が重要
KPIを設定すると、客観的に目標達成への結果を評価できるようになるでしょう。
ECサイト運営は、PDCAを回しながら施策を継続する必要があります。PDCAとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)の頭文字をとった、業務改善の手法のひとつです。PからAのサイクルを繰り返すことで、継続的に業務改善を行います。
仮説・検証・結果が明確になる
ECサイトのデメリットは、実店舗に比べてデータ情報が多いため、改善箇所が見分けにくくなる可能性があることです。KPIの設定は仮説・検証・結果が明確になるため、行動の評価がしやすくなります。
KPIを設定したあとの行動が大切です。チーム運営を同じ視点で共通目標を持って行動できます。チームの結束力を上げるためにもKPIの設定は不可欠でしょう。
KPIはKGIと異なる指標
KGIとは、Key Goal Indicatorの略で「重要目標達成指標」のことです。企業の目指す最終的な定量目標・数値目標を意味しています。
KPIとKGIの違いは、KPIが「中間目標」でKGIは「最終目標」である点です。KPIは目標達成に向けての「過程」KGIは「結果」にあたります。
まずはKGIを決定し、そのKGIを適切に分解して戦略としてのKPIを決めましょう。
ECサイトで必要な3つのKPI・KGI設定
ECサイトで必要なKPI・KGI設定は3つあります。
- KPIとKGIを連動させる
- KPIを定量化する
- KGIの期間設定をする
KPIとKGIを連動させる
KPIとKGIが連動していないといけません。KGIは最終目標で、KPIは目標達成に至るプロセスの評価指数です。
KPI・KGIはそれぞれ相関関係にあり、各KPIが達成されることでプロセス上の最終目標であるKGIに到達できます。KPIとKGIを連動させることで目標が明確化し、組織全体の生産性向上も期待できるでしょう。
ECサイトにおける売上は「KGI」その他の要素は「KPI」
ECサイトにおける売上高は、以下の計算式で算出できます。
- 訪問者数×購入割合(CVR)×客単価
KGIは「売上」、KPIは「訪問者数」「購入割合(CVR)」「客単価」になります。
訪問者数とは、特定の期間内にサイトに訪問したユーザーの訪問回数のことです。サイトにアクセスしたユーザーが実際に商品を注文した割合が購入割合、サイトにユーザーがアクセスした数が客単価です。
KPIを定量化する
KPIを設定する場合「定量化」する必要があります。定量化とは、普通には質的と見られている事柄を、特性に即した数量として表せるようにすることです。
メリットは、目指す状態が明確になることです。目標の達成に必要な内容が明らかになるため、目標値と現状のギャップを把握できます。
KPIは「購入割合を◯%にする」「客単価を◯円アップする」など、定量で設定しましょう。振り返りをした際に、目標が達成できているかがわかりやすくなるからです。
KGIの期間設定をする
KGIの期間設定をすることで、いつまでも目標を達成できない事態を避けられます。PDCAが明確になるため、事業をよい方向へ推進できるでしょう。
ECサイトにおけるKPIの3つの基本項目
ECサイトにおけるKPIの基本項目を3つ紹介します。
- 訪問者数
- 購入割合
- 客単価
訪問者数
訪問者数はサイトに訪れた人数です。PV(サイトのページ閲覧数)・セッション(ユーザーのサイトへの訪問回数)・UU(ユニークユーザー)などです。
UUとはUnique Userの略で、PVやセッション数とは異なりサイトを閲覧した個人(デバイス)の数を測ります。
ECサイトの訪問者数はサービスを見にきてくれた人数であるため、サイト改善のための重要な指標です。
購入割合
購入割合は、サイトにアクセスしたユーザーが商品を注文した割合です。ECサイトにおいて、購入割合を改善できると売上が大きく伸びる可能性があります。
CVRが2%のところを4%に改善できると、売上は2倍になります。CVRとはコンバージョン率のことです。
コンバージョンはユーザーが商品を購入することで、コンバージョン率はECサイトの訪問者のうち何割が商品を購入したのかを示す数値です。
客単価
客単価はサイトにユーザーがアクセスした数です。1ユーザーの1注文あたりの購入金額を指します。購入単価は各ECサイトが取り組むべき改善内容で、具体例は関連購買(合わせ買い)があげられるでしょう。
LTVとは:顧客生涯価値
LTVを考える企業が増えてきています。LTV(Life Time Value)とは顧客生涯価値のことです。顧客が会社や店と取引を開始してから終了するまでの間に、顧客から得られる利益の合計値を指します。顧客がサービスや商品を購入してくれた購入費の総額です。
LTVが下がる理由は、顧客満足度の低下にあります。商品・会社のどちらかに不満がある状態です。どちらが悪いのかを知るための指標が「客単価」「顧客回転数」です。
商品の魅力度が上がってくると「客単価」が向上し、会社の魅力が上がってくれば「顧客回転数」が上がるため、改善の指標にしましょう。
ECサイトにおけるKPI設定の3つのポイント
ECサイトにおけるKPI設定のポイントを3つ紹介します。
- KGIまでの仮説を立てる
- 経費もKPIとして定める
- ユーザーシナリオを考える
KGIまでの仮説を立てる
ECサイトでKPIを設定する場合、KGIへ導く仮説立案が必要です。売上を最大限に上げるためには「どこに集中して施策を立てるのか」が重要です。
「セッション数は向上しているが販売数量は同じ」の問題点は、サイトを見てくれるユーザーは増えているが、販売数が増えていないことがわかります。仮説を立てる場合「新規顧客の商品購入がない」「既存顧客のみ商品購入している」ことが考えられます。
上記の場合、サイトへの誘導はうまくいっているが、商品の改善が必要かもしれないという仮説からの問題点把握が可能です。ECサイトの売上を上げるためには、仮説立案・問題点の把握をしてKPIを設定しましょう。
経費もKPIとして定める
KPIを設定する場合、経費も含めるようにしましょう。経費がかかってしまうと、上がった売上が利益として残らなくなる場合があるからです。
売上をKGIとして考えてのKPI設定が一般的ですが、経費をKPIに組み込んでいないと正確な売上や利益を把握できなくなります。
経費をKPIに含めると、全体の支出確認もできます。改善点がわかりやすくなるため、経費にKPIを組み込むようにしましょう。
ユーザーシナリオを考える
ユーザーシナリオとは、設定したペルソナが実際にサービスを利用する流れ(ストーリー)を予測したものです。
ペルソナとはサイトやサービスを利用する顧客モデルのことで、人物像は実際に存在しているレベルで細かく設定します。
KPI設定はユーザーシナリオを作成することで、顧客のニーズに合った集客・訴求への対応が可能です。
年末のKPIユーザーシナリオはたとえば、クリスマスや正月に向けて顧客の購買意欲が高まっていると予想できます。玩具やおせち料理の広告を活用することで、自社ECサイトに導きやすいでしょう。
顧客の視点で行動を考えることで、最適な集客・訴求への戦略を立てられます。
ECサイトにおけるKPI仮説検証の3段階の流れ
- KGIとKPIの設定にはSMARTを意識する
- ユーザーシナリオに沿って仮説を設定する
- PDCAサイクルで仮説を検証する
KGIとKPIの設定にはSMARTを意識する
KGIとKPIを設定はSMARTを意識しましょう。SMARTとは、以下のすべての要素を含んだ目標設定の指標です。
- Specific(具体的に)
- Measurable(測定可能な)
- Achievable(達成可能な)
- Related(経営目標に関連した)
- Time-bound(時間制約がある)
年間の収益目標のKGIを設定する場合、達成可能な目標でないといけません。漠然とした目標ではなく、具体的に達成できる目標にします。
KPIを設定する場合もSMARTを意識して訪問者数・購入割合・客単価を定めます。フィードバックできない項目を設定すると、継続が難しいです。目標と具体的アクションをしっかり組み合わせるKPI項目を設定しましょう。
ユーザーシナリオに沿って仮説を設定する
KPI設定には、いくつかの仮説を用意しましょう。仮説を立てずにKPI設定すると、達成が困難な目標になります。
ユーザーシナリオに準じた仮説設定をすると、ターゲットに対して、集客から成約までの流れが想定しやすいです。KGIを果たすために、PV数向上を目的としたKPI設定のユーザーシナリオは、ターゲットの顧客PV数を増やすことです。
30代男性のビジネスマンのPV数向上が目的の場合、人気のある腕時計を取り扱っている広告の展開が有効でしょう。広告で取り扱っている腕時計に関してのコンテンツを増やし、SEO対策することも施策として考えられます。
PDCAサイクルで仮説を検証する
ユーザーシナリオの設定後は、PDCAサイクルで仮説を検証しましょう。設定した各々のKPIでPDCAサイクルを行い、自社に最適な施策を細かく探求することでKGIにつながるでしょう。
コンテンツ数を増加させてSEO対策を行ってもPV数が増えない場合は、コンテンツの品質・量がターゲットに適した内容か確認して改善させます。
コンテンツの内容を改善したことでPV数が上がれば、ターゲットに適したコンテンツ内容の作成に成功したといえるでしょう。
立案した仮説をPDCAサイクルで検証すると、ECサイトに最適なKPI項目の検証が可能です。
まとめ
ECサイトのKPI設定の注意点・ポイント・検証方法などを紹介しました。
目標を設定してKPIの選択ができれば、KPIの測定は容易にできるでしょう。大切なことは、測定された結果がビジネスの決断に情報を与えるようにすることです。次のアクションにつながるようにKPIを活用しましょう。
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鎌倉・藤沢を拠点にWEBに関わる支援を行っているtenicom合同会社の代表。WEBプログラマー、WEBディレクターを経て5年前に起業。現在は神奈川県の中小企業様を中心にWEBまわりを支援中。tenicomでは、「コンテンツの力で、Businessを支援」というキャッチコピーをもとにメディア事業の他、WEBサイト制作を安価に試せるサービスを展開中。
漠然と月間売上目標を掲げても、それだけでは達成が難しいです。KPIを設定出来ていれば、訪問者を1000人にするにはどうしたらいい?や10%のアクセスユーザーに購入してもらうためには?など様々な施策を考えるきっかけとなり得るのです。
結果が出ていない時には、KPI達成のための施策を見返して、施策の変更・改善を行っていく事も出来ます。また、KPIの設定が間違っている事もありえますので、KPI自体の見直しを定期的にするのも良さそうでです。
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