確定申告で国民健康保険料を控除する方法【初心者必見】

更新日:2021年02月05日 発注カテゴリ: 確定申告
確定申告で国民健康保険料を控除する方法【初心者必見】

個人事業主の方や会社を退職した人などが加入する国民健康保険は、確定申告を行うことで社会保険料控除の適用を受けることができます。 本記事では、国民健康保険料の控除について、その手続き方法から節税額の計算方法などについて詳しく説明していきます。

国民健康保険とは

国民健康保険料の控除について説明する前に、まずは国民健康保険について簡単に説明したいと思います。

公的医療保険

公的医療保険とは、病気やケガで医療機関を受診した際にかかる医療費の一部を負担してくれる保険制度のことです。日本では、すべての国民は何らかの公的保険に加入することが義務となっており、これを国民皆保険制度といいます。

主たる公的保険は以下のとおりです。

  • 健康保険(社会保険):企業等で加入している健康保険で、会社員やその家族が対象
  • 共済組合:公務員、私学の教職員およびその家族が対象 ・船員保険:船員が対象
  • 後期高齢者医療制度…75歳以上、ならびに65歳〜74歳までの一定の障害のある人が対象
  • 国民健康保険…上記以外の人が対象 自分がどの健康保険に加入しているのかは、保険証を見れば確認することができます。

国民健康保険に加入している人

国民健康保険に加入しているのは、自営業を営んでいる個人事業主や会社を退職して社会保険を継続していない無職の人などです。

また老齢年金の給付を受けている65歳未満の人や社会保険の強制加入事業所に該当しない事業所で働いている人、パートの掛け持ちで複数カ所で働いていて、勤務先の社会保険の加入要件を満たしていいない人なども該当します。

確定申告の社会保険料控除

国民健康保険料の確定申告での控除は、社会保険料控除の一つです。

社会保険料控除とは納税者が自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、その支払った金額について所得控除を受けることができるという制度です。

控除できる金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金から差し引かれた金額の全額となっています。 支払った保険料を所得から差し引くことで所得税額を減額することができるのです。

確定申告が必要な場合

確定申告を行う際に、すべての人が国民健康保険料の控除を申告する必要があるわけではありません。

申告が必要かどうかは、一般的に年末調整をしたかどうかで判断すればよいでしょう。

確定申告をする必要がない場合

確定申告をする必要がないというのは、言い方を変えれば確定申告をしなくとも控除が受けられる人ということになります。

つまり確定申告をしなくてもいいという人は、勤務先の年末調整で社会保険料が控除されている人の場合です。 原則として、12月末まで勤務しているサラリーマンなどの給与所得者で、給与から源泉徴収されている場合は年末調整を行っているため、すでに社会保険料控除を受けていることになります。

退職等により一時的に無職となり、国民健康保険に加入していたという方でも、年内に新たな会社に就職して、前職での源泉徴収票や自分で支払っていた国民健康保険料の金額などの必要書類を提出すれば、今の会社の年末調整で国民健康保険の控除を受けることができます。そういったケースでも、自身で確定申告をする必要はないということになります。

国民健康保険料の控除が適用される人

国民健康保険料の控除が適用されるのは、国民健康保険の加入者ということになります。

個人事業主で確定申告をする必要がある人はもちろんですが、サラリーマンであっても年末調整で国民健康保険の控除をしていない人でも確定申告をすれば国民健康保険料の控除が受けられます。 また、退職したまま再就職をしていない人や、生計を同じくする家族の国民健康保険料を支払っているという人の場合も、確定申告で控除を受けることが可能です。

なお、1年間に支払われた給与が「基礎控除48万円」と「給与所得控除55万円」の合計103万円以下の場合は、国民健康保険料の控除を受けなくても所得税の負担はありません。

ただし、2ヵ所以上の複数の会社で給与を得ている人の場合、主たる勤務先の給与以外の収入と、そのほかの所得が20万円を超えると確定申告の義務が生じるので注意してください。

また除外規定もあり、給与による収入から、基礎控除と医療費控除、寄付控除や雑損控除以外の所得控除を引いた金額が150万円以下の場合、または給与所得と退職所得以外が20万円以下の場合は、確定申告の義務がありません。

除外規定は、主たる勤務先では給料から甲欄で源泉徴収がされていて、そのほかかからは乙欄で源泉徴収されている必要があります。

甲欄、乙欄とは、国税庁が作成している「給与所得の源泉徴収税額表」の税額欄のことを指します。主たる勤務先は甲欄を見て税額を算出し、そのほかは乙欄を見て税額を算出することになります。

国民健康保険料の控除を受けるための手順

国民健康保険料の控除について説明したところで、ここからはその確定申告手順について詳しく説明していきたいと思います。

確定申告の手順

国民健康保険料の控除を受けるための確定申告の手順は以下のとおりです。

確定申告用紙を用意する

税務署や申告会場などにある用紙を取りにいくか、税務署に郵送での送付を依頼するか、国税庁のホームページからダウンロードするという、3つの方法があります。

源泉徴収票を用意する。

勤務先の会社などから発行されます。個人事業主の場合は、取引先から支払調書として、源泉徴収票に近いものが送付されることがあるため大切に保管しておきましょう。

国民健康保険の納付済証明書を用意する。

自治体により名称が違いますが、支払った金額がわかる書類で一般的に1月〜2月に送付されてきます。ただし、中には送付しない自治体もあるため、その場合は領収書や口座振替であればその通帳から計算することになります。

厚生年金など、他の社会保険の控除証明書を用意する。

社会保険の控除証明書の多くは、10月から11月に届けられます。なくさずに保管しておくことが大切です。

確定申告書に保険料の金額を記入し、税額を計算する。

最終段階です。しっかりミスがないように記入しましょう。

確定申告書の書き方

確定申告書はサラリーマンのような給与所得者は確定申告書Aを、個人事業主は確定申告書Bを使用します。

    まずは収入金額等の「給与(カ)」の欄に給与額や副業での収入を記載します。源泉徴収票を確認しながら記入しましょう。手取り額ではないので注意してください。

    次に所得金額に給与所得を記入します。源泉徴収票の給与所得控除後の金額を記入してください。また副業などでで経費がかかった場合などは、それを差し引いた額を記入することになります。

    つづいて、所得から差し引かれる金額に支払った国民年金保険料など社会保険料の合計を記入します。扶養控除や基礎控除など、該当する控除の金額を記入してください。 最後に税金の計算欄に必要事項を記入していきます。

    計算の結果、還付金がある場合には振り込みのために還付される税金の受取場所に銀行口座を記入してください。

国民健康保険料の控除による節税額

国民健康保険料控除の適用を受けるために確定申告手順についてご説明してきましたが、では実際に確定申告をすることで、どのくらいの減税効果があるのでしょうか。

ここからはどのような計算をして、どのくらい返ってくるのか、具体的にみてみましょう。

還付金の計算方法

還付金は以下の計算式で算出します。 還付金=すでに支払っている所得税(源泉徴収額)ー確定した所得税 源泉徴収額は収入の10.21%になるため、報酬が30万円だった場合は以下の通りとなります。

30万円×10.21%=30,630円(源泉徴収額)

取引先から報酬を受け取る場合、支払額の一部から所得税が源泉徴収されています。 この額には経費や控除などが考慮されていないため、確定申告でその分を計算し直し、正しい所得税額を確定させる必要があるのです。

控除額が多ければ同然所得税額が少なくなり、支払うべき所得税も少なくなります。そのため源泉徴収されている所得税額より支払うべき所得税が少ない場合には、差額分が還付金として返ってくることになります。

所得税額の計算方法

所得税は以下の計算式から求めます。

所得税=(収入−必要経費−所得控除)×所得税率−税額控除

所得税率および税額控除は、以下の表を参考にしてください。 

所得税率

控除額

195万円以下

5%

0

195万〜330万円以下

10%

97,500

330万〜695万円以下

20%

427,500

695万〜900万円以下

23%

636,000

900万〜1,800万円以下

33%

1,536,000

1,800万〜4,000万円以下

40%

2,796,000

4,000万円以上

45%

2,796,000

主な所得控除には、誰でも控除できる基礎控除の48万円(これまでは38万円)、年間の合計所得が38万円以下、(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)の配偶者がいる場合に控除できる配偶者控除の最大38万円、16歳以上の生計を同じくする家族がいる場合に控除できる扶養控除の最大63万円、社会保険料控除、医療費控除などが挙げられます。

控除額のシミュレーション

国民健康保険料を控除した場合としなかった場合では具体的などの程度差額が発生するのでしょうか。

具体例を使って確認しておきましょう。

【年間の国民健康保険分を社会保険料控除として申告しなかった場合】

例 ・年間給与総額350万円 ・給与総額に対する徴収税額は10万円 上の条件の場合、給与所得控除後の給与等の金額237万円は、給与所得控除後の金額の算出表に当てはめて以下のとおり算出します。 350万円-(350万円×30%+8万円)=237万円 

給与等の収入金額

(給与所得の源泉徴収票の支払金額)

給与所得控除額

1,625,000円まで

550,000円

1,625,001円から1,800,000円まで

収入金額×40%-100,000円

1,800,001円から3,600,000円まで

収入金額×30%+80,000円

3,600,001円から6,600,000円まで

収入金額×20%+440,000円

6,600,001円から8,500,000円まで

収入金額×10%+1,100,000円

8,500,001円以上

1,950,000円(上限)

算出所得税額を求めるため237万円から控除するものすべてを減算します。

  • 給与から天引きされた健康保険の合計額40万円
  • 国民健康保険料申告による控除分は、この例では申告し忘れたので0円
  • 基礎控除48万円(誰にでも適用される控除で令和元年分以前は38万円)

237万円 -(40万円+0円+48万円)=149万円

この149万円を年末調整のための算出所得税額の速算表に当てはめると以下のとおり算出すると所得税額74,500円を導くことができます。 1,490,000円×5%=74,500円

課税給与所得金額(A)

税率(B)

控除額(C)

税額=(A)×(B)-(C)

1,950,000円以下

5%

(A)×5%

1,950,000円超3,300,000円以下

10%

97,500円

(A)×10%-97,500円

3,300,000円超6,950,000円以下

20%

427,500円

(A)×20%-427,500円

6,950,000円超9,000,000円以下

23%

636,000円

(A)×23%-636,000円

9,000,000円超18,000,000円以下

33%

1,536,000円

(A)×33%-1,536,000円

18,000,000円超18,050,000円以下

40%

2,796,000円

(A)×40%-2,796,000円

この74,500円に102.1%を乗じたものが、本来納めるべき正しい納税額ということになります。

74,500×102.1%≒76,064円

よって本来の納税額から徴収税額10万円を減算したものが、納めすぎた税金ということになり、還付される金額ということになります。

76,064-100,000=-23,936円

※マイナスの数値は、納めすぎた分ということになります。

【年間の国民健康保険分を社会保険料控除として申告した場合】

給与所得控除後の給与等の金額237万円の算出までは同じであるため省略します。

算出所得税額を求めるため237万円から控除するものすべてを減算します。

  • 給与から天引きされた健康保険の合計額40万円
  • 国民健康保険料申告による控除分は、25万円
  • 基礎控除48万円(誰にでも適用される控除で令和元年分以前は38万円)

237万円 -(40万円+25万円+48万円)=124万円

この124万円を年末調整のための算出所得税額の速算表に当てはめると以下のとおり算出すると所得税額62,000円を導くことができます。

1,240,000円×5%=62,000円

この62,000円に102.1%を乗じたものが、本来納めるべき正しい納税額ということになります。

62,000×102.1%≒63,302円

よって本来の納税額から徴収税額10万円を減算したものが、納めすぎた税金ということになり、還付される金額ということになります。

63,302-100,000=-36,698円

国民健康保険分を申告しなかった場合の-23,936円と比較すると、申告したほうが12,762円還付される金額が多いことがわかります。

このように、所得税額を算出する際の控除金額が多ければ多いほど、課税所得を抑えることができるため、税金が安くなるということがお分かりいただけたと思います。

申告期間と注意点

確定申告にて国民健康保険料の控除申告を行うに際して、その申告期間や、過去に忘れていた申告について解説します。

控除申告の期間

確定申告の期間は毎年2月16日〜3月15日であり、2020年分の確定申告は2021年(令和3年)2月16日(火)から3月15日(月)までとなります。

個人事業主は、この期間内に確定申告をしなければ申告漏れになり、延滞税等がかかるため注意が必要です。

ただし、2019年分の税確定申告の期限はもともとは2020年3月16日でしたが、新型コロナウイルスの影響が拡大したため、申告期限が4月16日に延長となりました。 このため2020年分の確定申告についても延長になった為、国税庁のホームページ等をチェックするようにしましょう 。

なお、国民健康保険料の控除など還付だけを目的とした確定申告であれば、上記期間以外でも申告が可能となっています。

今まで忘れていた過去の申告

国民健康保険の控除をこれまでしていなかったという場合でも、還付対象の翌年1月1日から5年間であれば申告が可能です。納めすぎていた税金が戻ってくる還付申告については、確定申告の期間を気にする必要はないので期間前、または期間後でも受け付けてもらえます。

ただし、数年分をまとめて申告することはできないので、1年分ずつまとめて計算し必要書類を添えて税務署に提出するようにしてください。

また、所得税だけでなく住民税に関しても所得額を元に計算されるため、還付申告だからと先送りにするろ無駄な税金を支払うことになります。しっかりと節税対策するためにも、早めに申告することで翌年の住民税が高くなることも防ぐことができます。

まとめ

ここまで解説してきた通り、国民健康保険料は確定申告することで控除対象となります。 大した額ではないと考えず節税のためにも必ず忘れずにやっておきましょう。

確定申告の際は源泉徴収票の添付が必要ですが、国民健康保険の証明書や領収書は必ず添付しなければいけないというわけではありません。 しかし、証明書がなければ通帳などから計算しなければならないため、 1月〜2月に送付される国民健康保険の納付済証明書についてはしっかりと保管しておくとよいでしょう。

国民健康保険分を社会保険料控除として申告すれば、所得税だけでなく翌年の住民税の節税にも繋がるため確実に行うようにしましょう。

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