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エンジェル税制の確定申告の方法は?投資の注意点も解説!

公開日:2020年01月07日 最終更新日:2022年06月14日
エンジェル税制の確定申告の方法は?投資の注意点も解説!
この記事で解決できるお悩み
  • エンジェル税制の確定申告はどうやってやればいいの?
  • エンジェル税制の確定申告に必要な書類は何?
  • エンジェル税制のメリット・デメリットには何がある?

エンジェル税制は、税制の優遇措置を受けられるとして人気が高まっている制度です。個人投資家の方やベンチャー企業を応援したいと考えている方にとっては、投資によって利益を上げられる可能性があり、かつ税制の優遇措置を受けられる魅力的な制度といえるでしょう。

当記事では、エンジェル税制を利用した場合の確定申告の方法について解説します。さらにベンチャー企業に投資する際の注意点についても紹介するので、個人投資家の方はぜひ参考にしてみてください。

エンジェル税制の確定申告の流れ

参考元:中小企業庁【エンジェル税制の仕組みについて】

エンジェル税制を利用して確定申告で優遇措置を受けようと思った場合、まずどのような流れで確定申告をするのか知らなければなりません。とくにエンジェル税制は通常の確定申告とは異なり、手続きの流れや必要書類がやや複雑になります。

では、エンジェル税制を利用した場合の確定申告の流れを以下の3つの工程から見ていきましょう。

  1. エンジェル税制の対象か確認する
  2. ベンチャー企業が個人投資家に必要書類を送付
  3. 個人投資家の確定申告

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まず、投資したベンチャー企業がエンジェル税制の対象になっているかを確認しましょう。以下にエンジェル税制の対象になるための要件の例を2つ挙げたのでご覧ください。

  • 製造業や建設業・・・資本金が3億円以下もしくは従業員数が300人以下
  • サービス業・・・資本金が5,000万円以下もしくは従業員数が100人以下

さらに創業年数や研究者の割合、キャッシュフローが赤字かどうかなどによって、そのベンチャー企業がエンジェル税制の対象になるかどうかが変わってきます。エンジェル税制の対象に含まれているかどうかを確認するのはそのベンチャー企業であり、個人投資家が行うものではありません。

エンジェル税制の対象企業であることが確認されれば、都道府県知事名の確認書が交付されます。多くのベンチャー企業は、自社がエンジェル税制の対象であることを個人投資家にアピールするために、自社ホームページなどにその旨を記載するでしょう。

▲戰鵐船磧軸覿箸個人投資家に必要書類を送付

エンジェル税制の確定申告では、ベンチャー企業が個人投資家に必要書類を送付しなければなりません。確定申告に添付する書類の多くはベンチャー企業側が作成する必要があるのです。

都道府県知事名の確認書はもちろん、投資をした個人が減税対象要件を満たしていることの確認書、株式異動状況明細書、投資契約書の写しが必要となります。通常は、確定申告の期限内に書類が送られてくるはずですが、万が一書類の到着が遅れてしまった場合には、先に確定申告を行い、後日必要書類を税務署に郵送する形を取りましょう。

ここまでの作業はすべてベンチャー企業が行ってくれるので、個人投資家の方は必要書類が届くのを待っていれば大丈夫です。

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エンジェル税制の対象となっているベンチャー企業から必要書類が届いたなら、個人投資家の方は通常の確定申告を行います。エンジェル税制が利用できる投資では優遇措置Aと優遇措置Bとがあり、記載する場所が異なるので注意が必要です。

初めてエンジェル税制の確定申告をする場合には、税務署の職員に相談しながら手続きを進めるようにしましょう。

エンジェル税制の確定申告の必要書類4つ

エンジェル税制の確定申告に慣れていない税務署職員も少なくないので、どの書類が必要なのかあらかじめ調べたり、税務署に電話して確認したりしておくと安心です。では、エンジェル税制の確定申告に必要な書類を4つ見ていきましょう。

  • 都道府県知事名の確認書
  • 一定の株主に該当しない旨の確認書
  • 株式異動状況明細書
  • 投資契約書の写し

都道府県知事名の確認書

確定申告においてまず必要となるのが、エンジェル税制の対象となるベンチャー企業が交付してもらえる確認書です。この確認書をもって、その企業がエンジェル税制の対象であり、その企業への投資が税制上の優遇を受けられることを証明できます。

この書類は投資先のベンチャー企業から送られてくるので、個人投資家の方が何かの手続きをする必要はありません。

一定の株主に該当しない旨の確認書

エンジェル税制の確定申告では、ベンチャー企業が発行する「一定の株主に該当しない旨の確認書」も必要となります。ここでいう「一定の株主に該当しないこと」には、以下の2つの意味があります。

  1. 個人事業主の法人成りにおける個人事業主であった者、その親族、その使用人等に該当しないこと
  2. 同族会社判定の基礎となる株主ないし株主グループに属さないこと

個人事業主が、事業を全部継承することで株式会社を設立することを「法人成り」といいます。設立された株式会社がベンチャー企業である場合、エンジェル税制の対象になりえますが、会社を設立した個人事業主やその親族、使用人などが株式を購入してもエンジェル税制の対象になりません。

さらにエンジェル税制の対象を決定するためには、投資しているベンチャー企業が同族会社かどうかを調査する必要があります。同族会社かどうかを判定するためには、持株割合もしくは議決権割合が用いられるでしょう。判定の基礎となった株主が、エンジェル税制の対象外になる場合について以下にまとめました。

  • 持株割合と議決権割合のどちらか一方で同族会社と判定された場合
  • 持株割合と議決権割合のどちらで判定しても同族会社となった場合

個人投資家の方が確定申告するためには、エンジェル税制の対象外の株主に該当しないことをベンチャー企業に証明してもらう必要があるのです。

参考元:ベンチャー企業が個人投資家に交付する書類

株式異動状況明細書

ベンチャー企業から送られてくる別の書類が「株式異動状況明細書」です。株式異動状況明細書とは、ベンチャー企業の株主名簿に登録された日から、明細書が発行された日までの持株数の増減を記載した証明書を指します。

投資契約書の写し

エンジェル税制の確定申告をするためには、投資契約書の写しも提出する必要があります。税制の優遇措置を受けるため、ベンチャー企業と個人投資家はエンジェル税制の約束事を記載した契約書を作成する必要があるからです。

投資契約書は個人投資家が原本を保有しているはずなので、コピーして税務署に提出しましょう。

エンジェル税制の具体例

参考元:StartupGoGo

エンジェル税制にはAとBという2つの優遇措置があり、どちらの優遇措置を受けるか個人投資家が決められるという特徴があります。

では、エンジェル税制の優遇措置AとBを、具体例も交えながら見ていきましょう。

優遇措置A

優遇措置Aは、投資時点において税制上の優遇措置を得られるパターンです。以下に特徴を2つ挙げたのでご覧ください。

  • 設立5年未満の企業への投資が対象
  • 対象企業への投資額から2,000円を引いた金額が、その年の総所得金額から控除される

ただし、控除される金額には上限があり、総所得金額の40%もしくは800万円のいずれか低い方になります。ある個人投資家を例に考えてみましょう。総所得金額1,000万円、ベンチャー企業への投資額が500万円だった場合の控除の金額を表にしたのでご覧ください。

総所得金額 投資額 控除の金額
通常 1,000万円 500万円 499万8,000円
(500万円ー2,000円)
優遇措置A 400万円
(1,000万円の40%)
399万8,000円
(400万円ー2,000円)

通常であれば、500万円から2,000円を引いた金額が控除されるはずですが、1,000万円の40%である400万円が控除の上限となるでしょう。したがって、400万円から2,000円を引いた399万8,000円が控除の金額です。

優遇措置B

エンジェル税制の優遇措置Aが投資時点の優遇だったのに対し、優遇措置Bは株式を売却した時点での優遇となります。 以下に特徴を2つ挙げたのでご覧ください。

  • 設立10年未満の企業への投資が対象
  • 投資した金額すべてをその年の他の株式等譲渡益から控除できる。

優遇措置Aとは異なり、優遇措置Bには控除の上限がありません。たとえば、とある個人投資家がエンジェル税制の対象企業に500万円を投資し、その年の株式等譲渡益が600万円だったとします。すると、投資した500万円全額が譲渡益から差し引かれ、課税対象が100万円に減るのです。

一方、投資した金額が500万円、他の株式譲渡益が300万円だった場合、控除額は500万円ではなく譲渡益と同額の300万円になります。エンジェル税制の確定申告において、他の株式等譲渡益より多く控除は受けられないので注意しましょう。

ある年 投資額より他の株式譲渡益の方が少ない年
投資 500万円 500万円
株式譲渡益 600万円 300万円
控除額 500万円 300万円

エンジェル税制のメリット

エンジェル税制を利用する場合、どのようなメリットがあるかをしっかり理解しておくことが非常に重要です。確定申告はもちろん重要ですが、それ以外にも抑えたいポイントがあります。

では、エンジェル税制のメリットを以下の3つから詳しく見ていきましょう。

  • 個人投資家は節税できる
  • ハイリターンの可能性がある
  • ベンチャー企業は出資を募りやすくなる

個人投資家は節税できる

エンジェル税制最大のメリットともいえるのが、節税でしょう。とくにベンチャー企業に投資する個人投資家は、確定申告の際に大きな優遇措置を受けられます。

ベンチャー企業への投資時点と株式の売却時点の2つのポイントから、どちらか自分に有利になる方を選んで確定申告できるのです。とくに、他の株式等譲渡益からの控除は投資額のすべてを含められるので、個人投資家にとってとても有利な制度となっています。

加えて、もしベンチャー企業の株式を売却して損失が出てしまった場合でも、他の株式等譲渡益と相殺可能です。他の株式を売却して大きな利益が出ているのであれば、利益を圧縮して所得税を減額できるでしょう。

ハイリターンの可能性がある

個人投資家にとっての別のメリットは、ハイリターンの可能性がある点です。ベンチャー企業は、今はまだ規模の小さい会社かもしれませんが、開発している製品やサービスがヒットすれば一気に事業規模を拡大する可能性があります。当然、企業規模が大きくなれば株式も高騰し、大きな利益をもたらすでしょう。

個人投資家の間では、わずかな投資で多くの利益が得られるかもしれないという点で、ベンチャー企業への投資がよく行われています。節税しながらハイリターンを狙えるので、エンジェル税制は人気を集めているのです。

ベンチャー企業は出資を募りやすくなる

そもそもエンジェル税制は、ベンチャー企業が資金集めをしやすくするために考えられた制度です。したがって、ベンチャー企業としてはエンジェル税制によってより多くの出資を募りやすくなるメリットがあります。

エンジェル税制の対象であることを個人投資家にアピールできれば、投資と節税の観点から出資してもよいと考えてもらえるかもしれません。個人投資家からより多くの出資があれば、資金繰りを気にせず製品やサービスの開発に集中できるでしょう。

エンジェル税制のデメリット

メリットだけでなく、デメリットについて知っておくことも非常に重要です。では今度は、エンジェル税制のデメリットを以下の3つから詳しく見ていきましょう。

  • 個人投資家は節税できる
  • ハイリターンの可能性がある
  • ベンチャー企業は出資を募りやすくなる

確定申告の際の準備が煩雑

エンジェル税制を利用した場合、確定申告の準備が煩雑になるのはデメリットの一つです。確定申告の際には、個人投資家もベンチャー企業どちらにとっても準備が必要となり、手続きが複雑になってしまうのです。

ベンチャー企業は、前述のように個人投資家に送る様々な書類を準備しなければなりません。一方、個人投資家はこれらの書類が揃っているか、不備がないかを確認することが必要です。さらに、エンジェル税制を利用していることを税務署職員に説明して、確定申告を進めなければならないのです。

ベンチャー企業への投資はハイリスク

ベンチャー企業への投資は常にハイリスクハイリターンです。ハイリターンは魅力的ですが、投資したベンチャー企業がまったく利益を出さないことも十分に考えられます。

利益を出さないだけでなく、そのベンチャー企業の株価が下がって損失を被ってしまったり、倒産して投資額をすべて失ってしまうこともあるでしょう。大企業とは異なり、資金調達が難しいベンチャー企業に対する投資は常にリスクが伴うことを覚えておきましょう。

注意:被った損失は他の株式等の譲渡益と相殺可能

被った損失は他の株式等の譲渡益と相殺可能で、相殺しきれなかった金額は最大3年間繰り越せるので、確定申告の際に注意が必要です。

エンジェル税制を利用する際の注意点2つ

個人投資家の方がベンチャー企業に出資しようと考えている場合、エンジェル税制を利用するのは賢い方法です。ここでは、もっと賢くエンジェル税制を利用するために、注意すべき点を2つ見ていきましょう。

  • 確定申告は十分前もって行う
  • 優遇措置は所得税に限定される

定申告は十分前もって行う

エンジェル税制を利用する際の最初の注意点は、確定申告を時間に余裕をもって行うことです。申告期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税などのペナルティが科されます。

エンジェル税制の確定申告は、通常の確定申告に比べて用意すべき書類が多いです。さらに、ベンチャー企業が用意すべき書類も多くあり、個人投資家の方との連携が必要となります。ベンチャー企業からの書類を待ってから確定申告の準備を始めると、申告期限に間に合わない恐れもあるでしょう。

エンジェル税制を利用した場合の確定申告は、十分前もって準備を始め、期限に間に合うように確定申告書や必要書類を揃えられるよう心がけるべきです。必要であれば税務署の職員や税理士などに不明点を尋ねるのもよいでしょう。

優遇措置は所得税に限定される

エンジェル税制の確定申告の別の注意点は、優遇措置が所得税にのみ適用される点です。確定申告では所得税や住民税などが計算されますが、優遇措置が受けられるのは所得税に限られます。

一方で、ベンチャー企業の株式を売却した際に出た損失の繰越しについては、所得税と住民税の両方に適用されます。確定申告では所得税と住民税のどちらに影響が出るのかしっかり確認することが重要です。

まとめ:エンジェル税制の確定申告は事前の準備が重要

エンジェル税制の確定申告で重要なのは、入念な準備です。確定申告に必要な書類を揃えるのに時間がかかる可能性があるので、前もって税務署や税理士に相談しながら準備を進めましょう。

エンジェル税制の制度は個人投資家にとって多くのメリットがあるので、コミュニケーションを取りながら確定申告までをきちんと終わらせることで最大の利益を得られるのです。

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