相続手続きを怠り、申告と納税の期限に遅れた場合、相続税の元本に延滞税や無申告加算税が追加される可能性があります。財産の評価を間違えている場合は、過少申告加算税が課されることがあります。
納税を後回しにすると、財産を差し押さえられるリスクがあるため、相続が発生した際はできるだけ早く対応しましょう。
各相続手続きの期限は?期限を過ぎた場合の注意点や期限内に終わらせるポイント2つ
- 各相続手続きの期限は?
- 相続手続きの期限を過ぎた場合の注意点は?
- 相続手続きを期限内に終わらせるポイントは?
「相続の手続きが必要だが、各相続手続きに期限があるのかわからない…」という方必見!
この記事では相続手続きを行う必要がある方に向けて、各相続手続きの期限について解説します。最後まで読めば、相続手続きの期限を過ぎた場合の注意点もわかります。
相続に関する期限がわからない場合、弁護士や税理士のアドバイスを受けることで、適切な行動を早めに取れます。相続手続きを期限内に終わらせるポイントも紹介しているため、以前から相続の手続きを放置している方もぜひ参考にしてください。
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各相続手続きには期限がある
各相続手続きには、それぞれ期限が存在します。相続が発生した際、相続人は法定相続人であるかを確認し、相続財産の分配を決定する必要があります。
各相続手続きの期限を逃すと、遺産分割が困難になるだけではなく、罰則が科される可能性があるため注意しましょう。弁護士や税理士などの専門家からアドバイスを受けながら、適切な手続きを迅速に進めることが重要です。
各相続手続きの期限一覧
各相続手続きには期限が設定されています。遺産の処理や遺産分割、税金の申告などの重要な手続きを適切なタイミングで行うために設けられています。遺族や関係者は、以下の各相続手続きを順番に行いましょう。
- 死亡届や火葬許可申請書の提出:7日以内
- 年金受給停止や世帯主の名義変更などの提出:14日以内
- 相続放棄や限定承認の期限:3カ月以内
- 準確定申告の提出:4カ月以内
- 相続税の申告や納付:10カ月以内
- 遺留分侵害額の請求:1年以内
- 死亡一時金の受取の請求:2年以内
- 生命保険金の請求:3年以内
死亡届や火葬許可申請書の提出:7日以内
死亡が発生した際、遺族や関係者は法的な手続きを迅速に行う必要があります。
死亡届 | 死亡の事実を公的に記録するために必要な書類で、市区町村の役場に提出する |
---|---|
火葬許可申請書 | 遺体の火葬を行うために必要な許可を得るために、市区町村の役場に提出する |
死亡届の提出期限を過ぎると、市町村役場は火葬許可証の発行を行えず、葬儀や火葬を行えません。適切な理由がない状態で提出期限を過ぎた場合、最大5万円以下の罰則が課せられる可能性があります。死亡届は、人が亡くなったら迅速に提出する義務があるため忘れないようにしましょう。
年金受給停止や世帯主の名義変更などの提出:14日以内
年金受給停止や世帯主の名義変更などの手続きは、故人の死亡日から14日以内に完了する必要があります。遅れると正確な給付額や情報が反映されない可能性があるため、注意しましょう。
年金受給停止 | 年金受給の停止手続きは、所属する年金機関に連絡します |
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世帯主の名義変更 | 世帯主の名義変更手続きは、地域の役所や市町村役場で行います |
健康保険の資格喪失 | 健康保険の資格喪失手続きは、所属する健康保険組合や保険者に連絡して行います |
公共料金の名義変更 | 公共料金の名義変更手続きは、各公共料金事業者に連絡して行います |
相続放棄や限定承認の期限:3カ月以内
相続放棄や限定承認を希望する場合は、亡くなった日から3カ月以内に手続きを行う必要があります。期限を過ぎると、放棄や承認ができない可能性があるため注意しましょう。
相続放棄 | ・相続放棄手続きは、遺産を受ける権利を放棄する手続きです ・相続人本人または代理人が、法務局や役所に訪れ、相続放棄の申し出を行います |
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限定承認 | ・限定承認は、相続人が一部の財産だけを受けることを選ぶ場合に行う手続きです ・相続人全員が共同して家庭裁判所へ申述後、清算手続きを行います |
準確定申告の提出:4カ月以内
1月1日〜死亡した日までの故人の収入を、相続人が代わりに申告します。被相続人の死亡を知った日の翌日から4カ月以内に、申告と納税をしましょう。通常の確定申告の提出期限である3月15日を過ぎてしまう場合でも、準確定申告の提出期限が優先されます。
被相続人の死亡時期により、準確定申告を2回行う必要があるため注意が必要です。令和4年3月10日に死亡した場合、令和3年1月1日〜12月31日の所得と、令和4年1月1日〜3月10日の所得の準確定申告を行います。
相続税の申告や納付:10カ月以内
相続税の申告書は、相続開始から10カ月以内に提出が必要です。申告後に発生する税額の納付も、同じく10カ月以内に行う必要があります。期限を守り、必要な手続きを迅速に進めましょう。申告や納税が遅れると、遅延税が発生する可能性があるため注意が必要です。
遺留分侵害額の請求:1年以内
遺産分割において遺留分が侵害された場合、遺留分侵害額の請求は遺産分割確定後1年以内に行う必要があります。
相続人同士で遺留分に関する話し合いが決着しない場合は、遺留分侵害額の請求調停を裁判所に申し立てましょう。調停手続きでは、調停委員が関係者の主張を聴取し、双方の交渉を進める役割を果たします。
死亡一時金の受取の請求:2年以内
死亡一時金の受け取り請求は亡くなった日から2年以内に行う必要があります。必要な書類は、住所のある市区町村役場や近隣の年金事務所、街角の年金相談センターで入手できます。提出場所は、住所のある市区町村役場の窓口です。
生命保険金の請求:3年以内
生命保険金の請求は、亡くなった日から3年以内に行う必要があります。期限を遵守し、必要な手続きと必要書類を整えて保険金の請求手続きを進めましょう。
期限を過ぎると請求が受け付けられない可能性があります。適切な情報提供と早めの行動により、スムーズな保険金の受け取りができます。
相続手続きの期限を過ぎた場合の注意点3つ
ここからは、相続手続きの期限を過ぎた場合の注意点を3つ紹介します。
- 相続税の延滞税が発生する
- 税金の軽減制度が利用できなくなる
- 新たな相続が発生する可能性がある
1. 相続税の延滞税が発生する
相続税を期限内に支払わない場合、納期限の翌日から完納するまでの間、延滞税が発生する可能性が高まります。延滞税の利率は、納期限の翌日から2カ月以内は年2.5%、2カ月を経過すると年8.8%になります。遅延を避けるために、期限内に申告と納税を済ませることが重要です。
2. 税金の軽減制度が利用できなくなる
故人の死亡を知った日の翌日から10カ月以内に相続税の申告と納付を行わないと、以下の税金軽減制度が利用できなくなります。
- 小規模宅地等の特例
- 配偶者の税額軽減
- 農地等の納税猶予の特例
- 非上場株式等の贈与税の納税猶予と免除の特例
- 相続税の物納
上記の軽減制度を利用することで、相続税を軽減できるため上手に活用しましょう。
3. 新たな相続が発生する可能性がある
遺産の相続手続きが遅れると、その間にさらなる相続が発生するケースがあります。複雑化した相続手続きや財産の分割が難しくなり、遺産の評価や税金計算などが影響を受ける可能性があるため注意が必要です。期限を守り、迅速に相続手続きを進めることで、将来的な問題を避けられるでしょう。
相続手続きを期限内に終わらせるためのポイント2つ
ここからは、相続手続きを期限内に終わらせるためのポイントを2つ紹介します。
- 手続きの優先順位をつけて進める
- 弁護士や税理士へ相談する
1. 手続きの優先順位をつけて進める
相続手続きを期限内にスムーズに進めるために、手続きの優先順位を考慮しましょう。必要な書類の整理と関係者の情報収集を開始し、適切な専門家と相談を行います。
次に遺産の詳細なリストと財産評価を行い、申告・提出を行います。最終的に、納税額の支払い計画を検討し、関係者とのコミュニケーションを維持することで、効率的な手続きの進行が可能となるでしょう。
2. 弁護士や税理士へ相談する
相続手続きを期限内に遂行するためには、弁護士や税理士に相談すると安心です。専門家は複雑な法律や税制に詳しく、遺産の評価や手続きの指針を提供してくれます。彼らのアドバイスにより、正確な情報と適切な手続きが確保され、遅延や誤りを回避できるでしょう。
専門家は遺産分割や節税戦略に関する知識と経験を持っており、全体のプロセスを効果的に進める手助けをしてくれます。早めに相談することで、スムーズな手続きと期限内の遂行が実現します。
まとめ
相続に関する期限がわからない場合、弁護士や税理士のアドバイスを受けることで、適切な行動を早めに取れるでしょう。素早い手続きと戦略を採用することで、不必要な税金を削減できる可能性が高まります。
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よくある質問とその回答
ただ、漏れ、評価間違いは、大半が、名義預金と土地の評価。これが全体の7割を占めるでしょうか。
孫のために孫の名前で口座を作っていた。というのが名義預金の典型例となりますが、生前の贈与は、贈与契約であることが必要であり、当事者が合意していること、その上で、受贈者(贈与を受けたもの)が実際に管理、使用等していることが求められます。
何かあったら、贈与するかしないか、宙ぶらりんのものは契約したものではありませんので。これらは専門家からの説明を聞くと、漏れなくなりますが、ご自身ですると、孫名義の口座のものは相続の対象ではない、と判断されがちです。
そういった評価にばらつきが出るもう一つが。土地。これも財産評価通達といったものがあるのですが、慣れないとペイしませんし、間違いが起きがちです。名義預金の有無等の確認、また、土地の評価があれば税理士への相談も十分価値があるでしょう。
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