相続人廃除とは?手続きや条件、効果をカンタン解説

更新日:2019年11月12日 発注カテゴリ: 相続・事業承継対策
相続人廃除とは?手続きや条件、効果をカンタン解説

被相続人が「相続人の○○にだけは自分の財産を渡したくない」という場合に用いる手段が「相続人廃除」です。被相続人しか行えない手続きですが、廃除が認められるケースは稀であり、手続き自体もハードルが高いという特徴があります。今回はこの「相続人廃除」について手続き方法や認められる事例などを分かりやすく解説しましょう。

関連する記事

被相続人が唯一行える「相続人の廃除」

相続人の廃除とは被相続人の意志で特定の相続人の地位を奪うことを言います。

遺産相続には法定相続人の順位が定められています。配偶者、長男、次男といった親族が被相続人が亡くなったときに遺産を引き継ぐ形になるわけですが、被相続人がどうしても特定の親族に対して遺産を渡したくないときの選択肢としてこの制度が用意されているのです。

自分の意志に基づいて遺産の相続・分割を決める方法としては遺言状があります。これによって特定の相続人に多くの財産を遺贈し、別の相続人に財産を残させないことが可能です。

しかし遺言状の場合、被相続人の死後になって相続人の間でトラブルが発生しやすいことや、相続人全員の合意に基づいて覆されるケースが考えられます。

それに対してこの相続人の廃除はあらかじめ特定の相続人を遺産相続の対象から除外し、一切相続ができない状態にしてしまうのです。

かなり極端な手段ではありますが、被相続人を虐待していた、勝手に被相続人の名義でお金を借りるなどして重大な損害をもたらしていた、被相続人が容認できない侮辱を受けたといったケースに行われています。

この制度の特徴は必ず被相続人が行う点にあります。もうひとつ相続人の地位を奪う制度には相続欠格もありますが、こちらは相続人が相続にかかわる罪を犯すことで相続人の資格を失うのに対してこちらはあくまで被相続人の意志によって地位を奪う形になります。

遺産をもっとも多く相続できる立場にある長男が日ごろから自分を侮辱している、または一生懸命自分の面倒を見てくれる次男に対して長男は不義理を重ねているのに自分の遺産をもらおうとしている…そんな時にこの相続人廃除という選択肢が効力を発揮します。

相続人廃除の手続き方法

この相続人廃除は原則として家庭裁判所で手続きを行う必要があります。被相続人が生前に行う場合には自分で家庭裁判所に申し立てを行うことになるのです。

一方遺言書で特定の相続人を相続人廃除にするよう指定することも可能ですが、その場合は被相続人の死後に遺言執行者が代行する形で家庭裁判所に申し立てをします。

ですから誰が行うにしろ家庭裁判所を通して手続きが行われるわけです。そして遺言書で指定する場合には併せて遺言執行者を選んでおくことを忘れてはなりません。

ただし、手続きをすれば必ず相続人廃除が認められるわけではありません。財産の相続は相続人の権利でもあるため、被相続人の好き嫌いやえこひいきで廃除するのは問題があるからです。

原則として先ほど挙げたように「相続人が被相続人に対して虐待を加えていた」「重大な侮辱を加えていた」「借金を重ねるなど著しい非行行為が行われていた」といった場合は認められます。

このように家庭裁判所の判断によって相続人廃除が行われるかどうかが判断されるため、被相続人と相続人の関係によっても判断が異なってくる場合もあります。

夫婦間、親子間、祖父母と孫、養親子間…申し立てれば必ず認められるわけではないことは知っておきたいところです。

具体的な手続きに関しては推定相続人廃除審判申立推定相続人廃除届の2つが求められます。

申立は家庭裁判所に対して被相続人が特定の相続人を廃除することを具体的に明記した書類を提出することです。

その際には被相続人本人と相続人の戸籍謄本が必要なほか、被相続人の死後に遺言執行人が代行する場合には遺言書の死去を確認できる戸籍や遺言書の写しなども必要です。

廃除届とは家庭裁判所から廃除の審判が下されたときに最終的に提出するもので、こちらは住んでいる地域の市町村役場に提出することになります。

所定の推定相続人廃除届書(役場で入手するかネットでダウンロード)と審判書謄本、確定証明書、届出人の印鑑が必要です。

相続人廃除の申し立てをする主なケース

実際にどのようなケースで相続人廃除の申立てが行われるのか?やはり虐待・侮辱がもっとも多く見られます。

同居している親子間でなんらかの問題が生じ、健康面などで親の立場が弱くなったときに子供が虐待を加えるケースが該当します。

ほかに見られるケースとしては相続欠格にはならないものの、相続人が犯罪行為をした場合、被相続人の財産を勝手に処分したケースなど。

親子間だけでなく配偶者間でも相続人廃除が行われますが、その際にはやはり不貞行為が多く見られるようです。

相続人廃除の効果…

家庭裁判所によって相続人廃除が認められた場合、対象となった相続人は遺産を相続する権利を失います。

どれだけ被相続人と血縁的に近い立場にいようと、被相続人の財産が多くても、遺産を受け取ることが一切できなくなってしまうのです。

ポイントとなるのは相続人廃除の決定が下された段階から効力が発揮されるのではなく、被相続人の死亡時にさかのぼって適用されることです。

例えば遺言によって相続人廃除の手続きが行われ、その決定が下される前に対象となっている相続人が被相続人の財産を自分のものにした場合もその行為も遡って適用されます。

廃除の取り消し

ただし相続人廃除の決定が下された後に被相続人が取り消すことも可能です。

子供の非行があまりにもひどく相続人廃除を行ったものの、後になって改心が見られたり、和解した場合には改めて取り消しをして相続人に加えることができるのです。

この点は一度決定されたら取り消しがきかない相続欠格との大きな違いです。ただあくまで被相続人の意志で取り消す形になります。

この取り消しでも遺言で行うことが可能で、廃除の手続きと同様、遺言執行人が代行する形で手続きを行っていくことになります。

ただ全体的な傾向として一度廃除が認められた後に取り消すのはかなり難しく、かなりのハードルを乗り越える必要がありそうです。

相続人廃除が認められた事例は少ない!

このように法定相続人の非行に頭を悩まされている方にとって相続人廃除は最後の手段とも言うべき選択肢ですが、実際に申し立てて家庭裁判所によって認められた事例は少ないのが実情です。

よほどの虐待や非行行為であること、その事実を証明できることが認められるうえでのポイントとなるでしょう。

たとえば親が兄弟に虐待を受けているのを知っている子供が親に相続人廃除を持ちかける場合には虐待を証明できる証拠を用意するなど家庭裁判所に財産を相続する資格がないことを納得させられるような準備も必要になってくるでしょう。

間違いないのは被相続人が個人的な事情で簡単に利用できる制度ではないことです。

あまり簡単に認められてしまうような形だと、相続人廃除を振りかざして親族を意のままに従わせようとするといった問題が起こりえます。そうした点も認められた事例が少ない理由として考えられます。

まとめ

どうしても自分の財産を渡したくない親族がいる場合に、その人物を相続人から外すための方法として用意されているのが相続人廃除です。

ただこの制度を利用するためには家庭裁判所に申し立てる必要があること、正当な理由がなければ認められないことは知っておくべきでしょう。

「あいつは気に喰わないから俺の遺産はやらん」といった程度の理由では認められず、あくまで深刻な親族間のトラブルの解決方法として用意されている制度なのです。

遺産相続については家族間でトラブルが起こりやすいです。トラブルを未然に防ぐためにも遺産相続に関する法律を学ぶのは1つ有効な手と言えます。

加えて、遺産相続に詳しい税理士などに相談するのも良いと言えるでしょう。

比較ビズへ掲載しませんか?

カテゴリ一覧

人気記事

相続・事業承継対策の最新記事

一括見積もりで発注業務がラクラク!

  • 無料一括見積もりで募集開始
  • 複数の業者・専門家から提案が入る
  • ピッタリの一社を見つけよう

不透明な見積もりを可視化できる「比較ビズ」

比較ビズは「お仕事を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ」ビジネスマッチングサービスです。
日本最大級の掲載企業・発注会員数を誇り、今年で運営15年目となります。
比較ビズでは失敗できない発注業務を全力で支援します。

日々の営業活動で
こんなお悩みはありませんか?

営業活動でよくある悩み

そのお悩み比較ビズが解決します!

詳しくはこちら
お電話での見積もりはこちら