オンプレミスとクラウドの違いを徹底比較|移行や併用するポイントを解説
- オンプレミスとクラウドの違いは?
- 各方法のメリット・デメリットは?
- オンプレミスからクラウドへ移行するべき?
自社システムを構築するには、オンプレミス型とクラウド型の違いを理解し、どちらかを選択する必要があります。各特徴や構築方法を把握し、自社にはどちらの方法が向いているかをよく検討することが大切です。
この記事では、オンプレミスとクラウドの違いやメリット・デメリット、システムを導入するための手順などを詳しく解説しています。記事を読み終わった頃には、自社でどちらの方法を選択するべきか判断できるようになるでしょう。
「自社のシステム構築をどちらにすればいいのかわからない」「オンプレミスとクラウドの違いがわからない」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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オンプレミスとはシステム環境を自社で構築・運用する方法
オンプレミスとは、システム環境を自社で構築・運用する方法のことです。「On the premise」は日本語で「店内」「構内」の意味を持ちます。
システムの設備調達や構築などは自社の担当者が全て対応するため、思いどおりのセキュリティレベルやサーバー・回線の構築が可能です。自社で調達が難しい場合は、サーバーやネットワーク機器をレンタルする場合もあります。
以前は、オンプレミスがシステム運用の一般的な形態でした。しかし、導入コスト・働き方の多様化・セキュリティリスクの観点から、クラウドを利用する企業が増えています。
クラウドとはシステム環境をインターネット上で構築する方法
クラウドとはインターネット上で自社に必要なサービスを購入し、システム環境を構築する方法です。オンプレミスではインフラ環境構築・ソフトウェアインストール・システム開発などの特別な作業がありますが、クラウドはその作業が不要なため手軽に利用できます。
クラウドの場合、ベンダーが設定している月額料金はユーザー数に応じて変動する事が多いです。「必要な時に・必要なサービスを・必要な量だけ」使える環境が整い、無駄なコストの発生を削減できます。
高品質なシステムを手軽に構築できるとともに、会社の規模にあわせて自由にシステムを拡大・縮小できる点が便利なポイントです。
オンプレミスとクラウドの比較
オンプレミスとクラウドを9項目で比較し、各々が持つ強みをまとめました。比較表を下記に用意したので、参考にしてください。
クラウドは初期費用や月額料金を低コストに抑えられるほか、運用負担を軽減できます。一方、オンプレミスはカスタマイズ性と既存システムとの連携性に優れ、自社の要望を最大限反映したシステムを構築できます。
オンプレミスを採用するメリット
オンプレミスのメリットは以下の3点です。
- カスタマイズ性が高い
- セキュリティレベルが高い
- 復旧作業へ迅速に対応できる
下記で詳しく解説します。
カスタマイズ性が高い
オンプレミスのメリットの1つ目は、カスタマイズ性が高いことです。自社の要望に沿ったシステムを1から構成できる点が、オンプレミスの最大の魅力です。ハードウェア・ソフトウェア・OSなど、システム稼働に必要な機器はすべて自由に選択できます。
資金面に余裕がある場合はハイスペックな機器を揃え、利便性と安全性を最大限追求したシステムの構築が可能です。
システムを使っていくうちに必要な機能が発生した場合はその都度修正し、新たな機能を随時追加できる点もポイントです。既存システムとも連携が図りやすく、社員にが使いやすいシステムに仕上げられます。
セキュリティレベルが高い
オンプレミスのメリット2つ目は、セキュリティレベルを高くすることが可能な点です。オンプレミスは社外からのアクセスに限定したローカルネットワークを構築するため、不正アクセスを最小限に抑えられます。
インターネット上で完結するクラウドと比べると、閉鎖的なネットワーク環境を構築するのがオンプレミスの特徴です。取引先の情報や商品データなど、機密情報の流出を防げます。
アクセスエリアを限定しているため、インターネット回線のスペックに左右されません。通信障害や通信速度低下に伴う業務効率低下を防げます。
復旧作業へ迅速に対応できる
オンプレミスのメリット3つ目は、復旧作業へ迅速に対応できることです。インフラ環境はすべて自社において管理・運用するため、システム障害が起きたとしても、すぐに復旧作業に取りかかれます。
ただし、システムに精通した社員が自社内にいることが前提です。システム担当者がいない場合は復旧作業に多大な時間がかかり顧客からの信用を失うため、オンプレミスでの運用は避けてください。
オンプレミスを採用するデメリット
オンプレミスのデメリットは以下の3点です。
- 初期費用とランニングコストが高額
- システムに精通した人材が必要
- 災害時に甚大な被害をおよぼす
下記で詳しく解説します。
初期費用とランニングコストが高額
オンプレミスのデメリット1つ目は、初期費用とランニングコストが高額になることです。オンプレミスでは毎月の使用料金はかかりません。しかし、システム稼働に必要なインフラ環境をすべて自社で揃える必要があり、数百万〜数千万円の費用が必要です。
オンプレミスは日々の業務をスムーズに進めるため定期的なメンテナンスが必要となり、手間とコストがかかります。点検や修繕を怠った場合はシステムトラブルにつながり、結果的にメンテナンス費以上のコストがかかります。
復旧作業中は顧客と満足に取引もできず、売上や顧客満足度にも影響を及ぼすため、オンプレミスでは費用を惜しまないことが大切です。
システムに精通した人材が必要
オンプレミスのデメリット2つ目は、システムに精通した人材が必要であることです。理由は以下の2つが挙げられます。
- 自社の要望を満たすシステムを構築するため
- トラブルが起きた場合の復旧作業は自社で対処しなければならないため
オンプレミスでは、必要な機能選定やセキュリティ対策などを自社で担います。システムに精通している担当者でなければ、利便性と安全性を両立したシステム構築は望めません。
スキルや経験を兼備した人材がいない場合、システムトラブルが起きたときの対処が任せられず、復旧まで多くの時間を必要とします。定期的にトラブルが発生すると顧客に不安を与え、リピート率や購入単価の低下につながります。
売上や取引先との関係に悪影響を与えるため、システムに精通した人材がいない場合、オンプレミスでの運用はおすすめしません。
災害時に甚大な被害をおよぼす
オンプレミスのデメリット3つ目は、災害時に甚大な被害をおよぼす可能性があることです。地震・洪水・台風などの影響でサーバーが破壊された場合、サーバー内に保存していたデータは取り出せません。
これまで培ってきた技術データ・商品情報・取引先情報など多くの機密情報を失い、復旧までに多大な時間と費用が必要となります。
データの破壊を防ぐためには遠隔地にデータセンターやサーバーを設置し、バックアップデータを保存しておくことが得策です。しかし、一定のランニングコストが毎月発生することを把握しておきましょう。
クラウドを採用するメリット
クラウドを採用するメリットは以下の5つです。
- 低コストでの導入・運用が可能
- 管理負担を軽減できる
- 多様な働き方を実現できる
- 優れた拡張性がある
- BCP対策を強化できる
下記で詳しく解説します。
低コストでの導入・運用が可能
クラウドを採用するメリット1つ目は、低コストでの導入・運用が可能であることです。クラウドでは、システム導入の際に新たな設備投資や環境構築をおこなう必要がありません。初期費用とランニングコストを必要最低限に抑えられます。
ベンダーに申し込めばすぐに利用できるため、社内の業務体制へ即座に反映可能です。オプションの追加や特別なカスタマイズをしない限り、設定料金以外の月額料金もかかりません。
クラウドではユーザー単位で料金が変動する仕組みを採用しているベンダーも多く「必要な分だけのコストを支払う」環境が整っています。自社の規模や必要としている機能にあわせた出費に限定できるでしょう。
管理負担を軽減できる
クラウドを採用するメリット2つ目は、システム担当者の業務や管理負担を軽減できることです。ベンダー側にソフトウェアのアップデートやサーバーメンテナンスなど、システム運用に必要な作業を一任できます。
メンテナンス作業を自社で担う必要が無くなり、ほか業務に人員を割けることがメリットです。システムトラブルが起きた場合はベンダー側が対処するため、システムに関するノウハウに不安を抱える企業も安心して利用できます。
多様な働き方を実現できる
クラウドを採用するメリット3つ目は、多様な働き方を実現できることです。スマートフォン・タブレット・ノートPCなど、デバイスや場所を問わず社内にアクセスできる環境が整い、テレワークを導入できます。
クラウドでは、インターネット環境さえあれば、オフィス内と同じようにシステムへアクセスすることが可能です。データ共有がスムーズに進み、複数人での共同作業がしやすくなります。
在宅勤務を導入することでプライベート時間の確保や交通費削減など、社員と企業側双方にとって多大なメリットをもたらすでしょう。在宅勤務導入で得られるメリットは以下のとおりです。
社員 | ・通勤にともなう体力の消耗を回避 ・プライベート時間の確保 ・職場の人間関係でのストレス軽減 ・集中力向上 ・育児や介護との両立 |
---|---|
企業 | ・交通費やオフィス賃料削減 ・業務効率向上 ・優秀な社員の流出防止 ・地域に囚われない採用が可能 ・企業のイメージアップ |
優れた拡張性がある
クラウドを採用するメリット4つ目は、優れた拡張性があることです。クラウドでは、ユーザー数や負荷に応じてリソースの容量を柔軟に設定できます。リソースの追加を望む場合は、ベンダーとの契約内容を変更するだけで問題ありません。
自社で新たにサーバーの追加手配やインフラ環境の再構築をおこなう必要がないため、状況にあわせて自由にリソースを設定できます。
BCP対策を強化できる
クラウドを採用するメリット5つ目は、BCP対策を強化できることです。事業の継続に必要な取引先の情報や業務データなどは、クラウドサーバーへ保存されています。
クラウドサーバーへデータを保管しておけば、災害やサイバー攻撃を受けた場合でも最短で業務へ復旧できることが強みです。BCP対策の強化によって取引先に安心感を与え、購入単価やリピート率向上が期待できます。
クラウドを採用するデメリット
クラウドを採用するデメリットは以下の2つです。
- カスタマイズに制限がある
- ベンダーへの依存度が高くなる
下記で詳しく解説します。
カスタマイズに制限がある
クラウドのデメリットの1つに、カスタマイズに制限があることが挙げられます。クラウドはすでに販売されているパッケージ製品を利用するため、カスタマイズ可能な範囲は限定的です。自社が自由にカスタマイズできる余地はほとんどないと考えていいでしょう。
既存のパッケージは、元々ITに関する知識やノウハウが少ない企業にも使えるよう、カスタマイズ不要で利用できる形に構成されています。高い自由度や利便性を求める場合、オンプレミスからの移行を慎重に考えてください。
ベンダーへの依存度が高くなる
クラウドのデメリット2つ目は、ベンダーへの依存度が高くなることです。システムトラブル発生時は、ベンダー側の復旧作業が終わるまでサービスを利用できません。単一ベンダーに頼っている場合、トラブルが起きた場合の影響が大きくなります。
作業をベンダーへ一任できる代償として、自社にシステムのノウハウが蓄積されなくなります。
近年は、市場ニーズの拡大に人材供給のスピードが追い付かず、優れたスキルを持つIT人材の採用が困難な状況です。自社にノウハウが無ければIT人材が育てられず、結果的にベンダーに頼るしかないループが生まれてしまいます。
クラウドの構築形態を紹介
クラウドには多くのメリットがあり導入を検討している事業者も多いでしょう。クラウドの構築形態は以下の3種類があります。自社の状況に応じてクラウドの形態を選択しましょう。
- パブリッククラウド
- プライベートクラウド
- ハイブリッドクラウド
パブリッククラウド
企業や個人向けに多くの方が利用できるよう、ベンダー側がオープンな環境で提供している形態です。特徴は以下のとおりです。
特徴1 | サーバー・インターネット回線・ソフトウェアなど、リソースはほかのユーザーと共有する形を取るため、初期費用がかからない。特別な手続きや作業も必要とせず、ベンダーが設定している料金を支払えばすぐに利用可能。 |
---|---|
特徴2 | インフラ環境のメンテナンスや運用もベンダーに一任できるため、管理の手間がかからない。セキュリティ対策に関しても、多くのベンダーは多様化するサイバー攻撃への対処に力を入れているため安心。 |
特徴3 | ITに関するノウハウが少ない企業にとって、オンプレミスよりも強固な情報資産の保護体制を構築できる。 |
ベンダーによって取り組み内容は異なるため、第三者機関から承認を得ているかを参考に、セキュリティ強度を見極めてください。既存ソフトウェアのなかには一部サービスに対応していない場合もあるため、導入前に互換性の有無をあわせてチェックしてください。
パブリッククラウドのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | ・初期費用とランニングコストを抑制 ・無駄なコストの発生を回避 ・運用負担の軽減 ・優れた拡張性 ・セキュリティ対策も強化 |
---|---|
デメリット | ・システムトラブル時はサービスの使用不可 ・自社でコントロールできない部分が多い ・カスタマイズ性が低い ・既存サービスに対応していない可能性あり |
プライベートクラウド
プライベートクラウドは、ソフトウェアやサーバーなどのリソースはほかのユーザーと共有しつつ、自社専用にクラウド環境を構築するスタイルです。特徴は以下のとおりです。
特徴1 | 安全性を確保しつつ、自社の要望を自由に盛り込んだシステム構築が可能。 |
---|---|
特徴2 | オンプレミスに近い形でシステムの設計・運用をおこなえるため、高い利便性の確保が可能。 |
特徴3 | オフィス内の各部署やグループ会社など、会社関係者のみしかアクセスできない環境を構築するため、不正アクセスのリスクを最小限に抑えられる。 |
ただし、自社でサーバーや回線の用意など、インフラ環境を構築しなければならず、プライベートクラウドを実現するためには多額の費用が必要です。
近年はインフラ環境をサービスとして提供しているベンダーを利用し、初期費用削減へ導くホステッド型を採用する企業も増えています。しかし、システムに関する豊富なノウハウを持つ人材がいない場合は、自社の状況を考慮した正確な判断ができないため注意しましょう。
プライベートクラウドのメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | ・カスタマイズ性が高い ・高いセキュリティレベルを実現 ・インフラ環境のみを提供するベンダーも増加 |
---|---|
デメリット | ・初期費用が高額 ・導入までにある程度の時間が必要 ・優れたスキルを持つIT人材が不可欠 |
ハイブリッドクラウド【オンプレミスとの併用】
ハイブリッドクラウドは、パブリッククラウド・プライベートクラウド・オンプレミスを組みあわせてシステムを構築する、いいとこ取りの方法です。特徴は次のとおりです。
特徴1 | カスタマイズ性・利便性・セキュリティ性など、低コストでさまざまな要素を組みあわせて備えられる。たとえば、取引先とのやりとりや社員の個人情報などはオンプレミスで保護し、オウンドメディアの運営はプライベートクラウドでおこない、リソースをパブリッククラウドで調達するイメージ。 |
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特徴2 | 柔軟性の高いシステムを構築できるだけではなく、BCP対策強化にも役立てられる。システムが複雑化するため、プライベートクラウドとパブリッククラウドに精通した人材がいない場合は運用が困難。 |
特徴3 | 重綿密なコストのシミュレーションを立てておかないとシステムが複雑化する分、必要以上にコストがかかる場合がある。 |
ハイブリッドクラウドのメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | ・コストパフォーマンスが高い ・柔軟性が高い ・情報漏洩のリスク分散 ・災害にあった場合短時間での復旧が可能 ・取引先へ安心感付与 |
---|---|
デメリット | ・優れたITスキルを持つ人材の存在が不可欠 ・システムの複雑化で運用が困難 ・方法を間違えるとコストが高騰 |
オンプレミスからクラウドに移行したほうがいいケース
現在オンプレミスを導入している場合、クラウドへ移行したほうがいいケースは以下のとおりです。
- 外回り担当者の働き方の幅を広げたり、テレワークを導入したりする場合など、社外からシステムやサーバーにアクセスできる環境を作りたいケース
- 自社でのIT人材の不足や、オンプレミスのシステム運用や保守・管理にかかる人的リソースやコストの負担が大きくて困っているケース
- 万が一大規模障害や災害が発生した場合のBCP対策が十分ではないと感じているケース
近年はクラウドに移行する会社が多くなってきています。しかし、業種や会社によっては無理にクラウドへ移行せず、今までどおりオンプレミスの環境を利用する判断も重要です。
たとえば、個人情報や機密情報、外部に漏れてはいけない業務情報などがある金融機関は、オンプレミスの方が安心して利用できるでしょう。
オンプレミスからクラウドへ移行する手順
クラウドへのシステム移行を検討している方は、以下のステップを参考に作業を進めてください。
オンプレミスからクラウドへの移行で失敗しないためのポイント
オンプレミスからクラウドへの移行で失敗しないためのポイントは以下の2つです。
- 移行の工程を把握しスケジュールを立てる
- トラブル発生に備えてバックアップを漏れなく実施する
下記で詳しく解説します。
移行の工程を把握しスケジュールを立てる
オンプレミスからクラウドへの移行で失敗しないためのポイントの1つ目に、移行の工程を把握しスケジュールを立てることが挙げられます。
前述で紹介したクラウドへ移行する手順をしっかり把握し、事前にスケジュールをたてておき、余裕を持って取り組むことが大切です。とくに、事前テストの段階で異常や問題ないかをしっかり確認することを意識しましょう。
トラブル発生に備えてバックアップを漏れなく実施する
オンプレミスからクラウドへの移行で失敗しないためのポイント2つ目は、トラブルに備えてバックアップを漏れなく実施することです。
どれほど事前準備をしっかりおこなっていたとしても、途中でトラブルが発生するケースが想定されます。もし移行に失敗したとしても、漏れなくバックアップをとっておけば、リカバリすることが可能です。
クラウド化できるシステムやツールを紹介
クラウド化によってさらなるメリットが得られるシステム・ツールは以下の3つです。
- 基幹システム
- グループウェア
- SFA
下記で詳しく解説します。
基幹システム
クラウド化できるシステムの1つ目は、基幹システムです。
購買管理・生産管理・在庫管理など、業務の中枢を担う機能を1つに集約したシステムのこと。
老朽化した基幹システムは技術的負債の増加によるメンテナンス機会が増え、機能維持のためランニングコストが増大し、トラブル発生時は業務の大部分が停止します。
そのため、顧客満足度・リピート率・購入単価の低下を防ぐには、トラブル防止に向けたメンテナンスにIT予算の大半を割く必要があります。基幹システムをクラウドに移行することで自社でサーバーの調達・管理がなくなり、メンテナンスコストを大幅に削減可能です。
バックアップやアップデート作業も自動化し、システム管理者の負担を軽減できます。基幹システムのクラウド化で得られるメリットには以下の6項目です。
- ランニングコスト削減
- 更新作業の自動化
- 運用負担軽減
- 業務効率改善
- セキュリティ対策強化
- 在宅勤務に対応
グループウェア
クラウド化できるツールに、グループウェアが挙げられます。グループウェアはスケジュール管理・チャットツール・ワークフローなど、多彩な機能を搭載しているツールです。社員同士のコミュニケーションを活性化し、スムーズに業務の進捗状況やナレッジの共有を図ります。
Google Workspace・Microsoft365・ガルーンなど、クラウド型のグループウェアを導入すると、低コストで業務の効率化が期待できます。
グループウェアの主な機能は以下のとおりです。
コミュニケーション | 情報共有 | 業務効率化 | |
---|---|---|---|
機能 | ・メール ・チャット ・在籍/離席確認 ・掲示板 ・社内SNS ・web会議 |
・ファイル共有 ・回覧 ・アドレス帳 ・アンケート ・タスク管理 ・議事録 |
・ワークフロー ・経費精算 ・スケジュール管理 ・会議室予約 ・ToDoリスト ・日報 |
SFA
クラウド化できるツールには、SFAも挙げられます。SFAは営業活動の課題や購買意欲の高い顧客を可視化し、営業活動の効率化と売上拡大の両立を図るツールです。
顧客情報・商談の進捗状況・受注見込みなど、営業活動に必要な情報をSFA上に集約できます。Sales Cloud・ネクストSFA・Sensesなど、クラウド型SFAを導入すると、無駄な行動の削減と受注率向上を実現できます。
SFAの主な機能は以下のとおりです。
顧客管理 | ・企業の住所や電話番号 ・担当者の部署や連絡先 ・名刺データの自動取り込み ・過去の接触履歴 |
---|---|
案件管理 | ・企業名 ・提案商品またはサービス ・案件規模 ・受注見込み ・受注予定日 |
商談管理 | ・過去のやりとり ・商談の進捗状況 ・顧客キーマン ・提案書 ・次回行動予定 |
売上予測 | ・営業マン別 ・部署別 ・顧客別 ・商品別 |
クラウドサービス選定で知っておきたいポイント
クラウドサービス選定で知っておきたいポイントは以下の3つです。
- 機能性や操作性が自社に適しているサービスを選定する
- 既存システムとの相性や移行のしやすさを見極める
- ベンダーのサポート体制が整っていることを確認する
下記で詳しく解説します。
機能性や操作性が自社に適しているサービスを選定する
クラウドサービス選定で知っておきたいポイント1つ目は、機能性や操作性が自社に適しているサービスを選定することです。自社の従業員にとって使いにくいサービスの場合は、逆に業務効率が低下することもあります。
操作性のほかにも、自社の利益に直結するような機能があるかもよく確認する必要があるでしょう。契約の前に無料トライアルを実施し、機能の中身を確認することが大切です。
既存システムとの相性や移行のしやすさを見極める
クラウドサービス選定で知っておきたいポイント2つ目は、既存システムとの相性や移行のしやすさを見極めることです。すでに運用しているオンプレミスのシステムがある場合は、既存システムとの相性が重要となります。
クラウドへ移行する場合は移行のしやすさを見極めることが大切です。うまく移行できなかった場合はトラブルが発生したりデータ破損の原因となるため、注意しましょう。
ベンダーのサポート体制が整っていることを確認する
クラウドサービス選定で知っておきたいポイント3つ目は、ベンダーのサポート体制が整っていることを確認することです。クラウドはオンプレミスとは異なり、サービス利用中は常にベンダーに一任することが多くなります。
日頃の運用・保守管理のサポートだけではなく、トラブル発生時に迅速に対応してもらえるかをよく見極める必要があるでしょう。
まとめ
オンプレミスはカスタマイズ性やセキュリティ性に優れている一方、初期費用が高く運用負担も大きいのが特徴です。一方、クラウドはコスト・拡張性・運用性に優れており、リソースに制限がある中小企業も導入しやすいです。
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