オンプレミスとクラウドの違いを比較検証!それぞれのメリット・選び方の基準も紹介!

更新日:2021年04月15日 発注カテゴリ: Webシステム開発
オンプレミスとクラウドの違いを比較検証!それぞれのメリット・選び方の基準も紹介!

システムの新規開発・リプレースを検討する際、必ず直面する課題が「システム基盤・プラットフォームはどうするか?」です。ITシステム基盤には、大きくオンプレミス型、クラウド型の2つがありますが、それぞれ複数の構築形態が存在するなど、意外にインフラ・プラットフォームの世界は奥深いもの。両者の違いがよくわからない、あるいはオンプレミスとクラウドの特徴・メリットを比較したい、そんなIT担当者の方は多いはずです。そこで本記事では、構築形態の種類も含め、オンプレミスとクラウドの違いを比較検証!両者を比較した場合のそれぞれのメリットや、オンプレミス・クラウドどちらを選ぶべきなのか?ヒントとなる基準も紹介していきます。

オンプレミスとは?

オンプレミスとは、業務システム・アプリケーションの土台となるITシステム基盤・インフラストラクチャーを、自社構内に設置(On-Premises = オンプレミス)して運用するシステム形態のこと。

ここでいうITシステム基盤・インフラとは、サーバ・ネットワーク機器などのハードウェア、OS・ミドルウェア・データベースなどのソフトウェアを含む、ITインフラ全体を指しています。

システム開発・構築における従来のITシステム基盤は、このオンプレミスタイプが当たり前であったため「オンプレミス」という言葉自体が存在していませんでした。ところが、従来とは運用形態の異なる「クラウドコンピューティング」が登場したため、区別して表現するため「オンプレミス」という言葉が使われたといわれています。

オンプレミスの構築形態

ITシステム基盤・インフラを自社購入・調達するオンプレミスは、イコール「自社保有」「自社運用」とも呼ばれますが、実は「自社サーバルームにITシステム基盤を構築する」だけがオンプレミスではありません。「構内(Premises)」が複数形になっていることからもわかるように、オンプレミスには複数の構築形態があります。

自社施設内に構築

オンプレミスの構築形態でもっとも一般的なのが、自社建物、あるいは敷地を含む自社施設内に専用サーバルームを用意し、そこにITシステム基盤・インフラを構築するパターンです。イントラネット・社内LAN、あるいはIP-VPNなどのプライベートネットワークに接続し、システムを限定的な環境で活用する場合がほとんど。ITシステム基盤・インフラはもちろん、設置するサーバルームも自社で用意します。

ハウジング

ITシステム基盤を構成するハードウェア・ソフトウェアを自社で用意する一方、外部事業者の保有するデータセンターを活用するオンプレミス構築形態が「ハウジング」です。ITシステム基盤を自社保有・運用する点では、自社施設内構築と変わりありませんが「設置場所」のみ異なるのが特徴です。

ホスティング

外部事業者の保有するデータセンター・ハードウェアを活用し、ITシステム基盤をレンタルする一方、自社でアプリケーション・ソフトウェアを構築・運用するオンプレミス構築形態が「ホスティング」です。ホスティングサービスを利用したWebサイト構築をイメージしていただくとわかりやすいでしょう。ITシステム基盤を専有できる「専用サーバ」、複数ユーザーで共有する「共有サーバ」があります。

クラウド(クラウドコンピューティング)とは?

クラウド(クラウドコンピューティング)とは、クラウド事業者(サービスプロバイダ)が提供するITシステム基盤・インフラを、必要に応じてネットワーク経由で利用するシステム形態のこと。データセンター・実行環境がどこにあるかを意識する必要がないため、雲(クラウド)のなかにあるシステムを利用するイメージから「クラウド」と呼ばれるようになりました。

上述した「ホスティング」と似た印象を抱く方が多いかもしれませんが、クラウドは似て非なるもの。ユーザーがITリソースを自由に設定できる「オンデマンド・セルフサービス」や、リソースの増減を自由に設定できる「拡張性」などが求められる「クラウドの定義」を満たさないホスティングは、クラウドだとはいえません。

IaaS(Infrastructure as a Service)

クラウドのサービス提供形態は、大きく3つに分類できます。そのうち、もっともベーシックだといえるクラウドサービス形態が、インフラストラクチャーのみを提供する「IaaS」だといえるでしょう。具体的には、容量・帯域のさまざまなCPU・ストレージ・ネットワークが用意され、ユーザーが自由にリソースを組み合わせてITシステム基盤(インフラ)を構築できます。

PaaS(Platform as a Service)

ユーザーがシステム・アプリケーションを自由に構築できるよう、IaaSに加え、OSやミドルウェアも含めた環境(プラットフォーム)を提供するサービス形態が「PaaS」です。フレームワークをサービスとして提供する場合もあり、IaaSと同様、リソースは利用者がニーズに応じて選択できます。

SaaS(Software as a Service)

クラウド基盤を使って構築されたアプリケーション・Webサービスなどを、広く一般に提供するサービス形態が「SaaS」です。サービスを提供するプロバイダは、クラウド事業者とは別であることがほとんど。さまざまなサービスプロバイダがSaaSを提供しています。Dropbox、Gmailなど、普段使われるWebサービスもSaaSだといえるでしょう。

クラウドの構築形態

オンプレミスと比較して、ハードウェアを中心としたインフラ基盤を「自社で保有・管理しない」のがクラウドの基本ですが、必ずしもそうだとは限りません。クラウドコンピューティングにもいくつかの構築形態が存在し、なかにはサーバ・ネットワークを含むハードウェアを保有するパターンもあります。また、SaaSもクラウドの一部ではありますが、ITシステム基盤の違い・比較という本記事の意図から、SaaSは除外して解説していきます。

パブリッククラウド

クラウドといえば、真っ先に思い浮かべる方が多いと思われるのが、サービスプロバイダが提供するITシステム基盤をニーズに応じて活用する「パブリッククラウド」でしょう。

代表的なサービスには「AWS」「Azure」「GCP」「IBM Cloud」「SAP Cloud Platform」などがありますが、いずれも複数のユーザーで共有する「マルチテナント」方式を採用し、幅広く用意されたサービスをニーズに応じてチョイスできるのが特徴。

インターネット経由でサービスを利用するのが基本ですが、VPNなどの仮想プライベートネットワーク、専用線の接続に対応するプロバイダも。後述するプライベートクラウドのように利用できるサービスも少なくありません。

プライベートクラウド

マルチテナントで活用されるパブリッククラウドに対し、企業、またはグループ企業がプライベートな環境で活用する目的で構築されるITシステム基盤を「プライベートクラウド」と呼びます。

自社内にプライベートクラウド基盤を構築して、ハードウェア・ソフトウェアを保有・運用する「オンプレミス型」、保有するハードウェア・ソフトウェアを外部事業者のデータセンターに設置する「ホスティング型」があります。

プライベート環境での利用を前提としているため、VPN・専用線で接続されるのがプライベートクラウドの特徴。オンプレミスの「自社施設内構築」「ハウジング」との違いは、オンデマンド・セルフサービス、スケールの伸縮など「クラウドの定義」をITシステム基盤が満たしているかどうかです。

オンプレミスとクラウドの違い・比較表

それでは、オンプレミス、クラウドの基本・概要を理解できたところで、それぞれにどのような違いがあるのか?比較表を中心に、オンプレミスとクラウドの違いを比較検証してみましょう。それぞれ複数の構築形態がありますが、もっとも利用される「施設内構築オンプレミス」と「パブリッククラウド」を比較対象にしています。

項目 オンプレミス クラウド
初期費用 すべて自社保有するため高額 初期費用無料である場合が一般的
インフラ調達期間 1〜数か月 数分〜数時間
ランニングコスト 規模に応じて変動、自社負担 使った分のみの従量制が一般的
カスタマイズ ニーズにあわせて自由にカスタマイズ可能 自由度は高いが限定的
ネットワークセキュリティ 安全 インターネットに接続するリスクがある
障害対応 すべて自社で対応 インフラ障害対応はプロバイダの責任
BCP対策 対応が困難 デフォルトで分散管理されているため簡単
データバックアップ ハードウェアの追加が必要、高価 簡単
ストレージ拡張 ハードウェアの追加・作業が必要、高価 簡単

初期費用・インフラ調達期間

ソフトウェア・ハードウェアを含むITシステム基盤を保有するオンプレミスは、規模による変動はあるものの、数百万円からの初期費用が必要。基盤設計や機器の選定にかかる時間を考えれば、稼働できるまでに少なくとも1か月、場合によっては数か月かかることも珍しくありません。

一方のクラウドは、多くのサービスで初期費用無料から利用できるのが特徴。すでに用意されているハードウェア・ソフトウェアをニーズに応じて組み合わせが可能なため、契約後、数分から数時間もあればITシステム基盤を利用できます。

ランニングコスト

オンプレミスのランニングコストは、ITシステム基盤の維持・メンテナンス費用が中心。初期投資が大きい分、ランニングコストは抑えられますが、保守・運用費用はすべて自社が負担しなければなりません。導入から5年後を目処にしたサーバ入れ替え・リプレース時期には、高額な設備投資費用が追加で必要です。

一方、従量制であることがほとんどのクラウドは、オンプレミスと比較してランニングコストはやや高額。ただし、リソースを利用した分だけの課金に抑えられるため、費用の最適化が可能。ランニングコストを経費扱いできること、定期的な設備投資が必要ないことから、トータルコストではクラウドが有利だといえます。

カスタマイズ

ITシステム基盤の設計から機器選定、導入、設置までを自社でまかなうオンプレミスは、ニーズにあわせた自由自在なインフラ環境構築が可能です。特殊なニーズに柔軟に対応しやすいのも、カスタマイズの自由度が高いオンプレミスならではの特徴。

一方、あらかじめ利用できるハードウェア・ソフトウェアが限定されるクラウドは、オンプレミスに比較すればカスタマイズの自由度は限定されます。ただし、ビジネス用途が基本のパブリッククラウドは、チョイスできるハードウェアも高性能。CPU・ストレージを自在に選べる「IaaS」なら、不足を感じることはないはずです。

ネットワークセキュリティ

基本的にVPN・専用線で接続されるオンプレミスは、安全なネットワークセキュリティを実現できます。ただし、インターネット回線との隔離や基本的なセキュリティ対策などは、すべて自社でまかなう必要があります。

一方のクラウドは、インターネットに接続して利用するのが前提のため、一定のセキュリティリスクがあるのは事実。ただし、メンテナンスも含めたセキュリティ確保はサービスプロバイダが担当してくれます。

障害対応・BCP対策

ITシステム基盤を自社保有するオンプレミスは、運用・保守も自社負担。つまり、障害発生時の復旧対応やメンテナンスは自社で行わなければなりません。外部ベンダーに委託する方法もありますが追加費用が必須。物理的なITシステム基盤が必要なオンプレミスは「複数のデータセンターで分散管理」するBCP対策も困難です。

セキュリティ対策を含めたメンテナンスを、サービスプロバイダが担当するクラウドは、障害時も管理画面で復旧状況を確認するだけ。もともと世界中のデータセンターを活用するクラウドは、デフォルトでBCP対策が万全だともいえます。

バックアップ・ストレージ拡張

ハードウェアを選定したうえでITシステム基盤を構築するオンプレミスは、構成変更が簡単ではありません。バックアップ容量が足りない、保存領域が足りないなど、ストレージ容量を拡張するだけでも、追加のハードウェアを購入したうえで設定のやり直しが必要です。

リソースの伸縮が定義付けられているクラウドの場合、ストレージ容量の増減も管理画面から設定可能。バックアップもミラーサーバで自動実施されるため、管理にリソースを割く必要がありません。

クラウドと比較したオンプレミスのメリット

ここまでで、さまざまな角度から比較しながら、オンプレミス・クラウドの違いを解説してきました。それでは、オンプレミスを採用することで、具体的にどのようなメリットが得られるのか?クラウドと比較した場合のメリットを紹介していきましょう。

自在なカスタマイズが可能

クラウドと比較したオンプレミスのメリットは、なんといっても自由自在なカスタマイズが可能だということです。これは、ハードウェア・ソフトウェアすべてを自社保有する、オンプレミスならではの特徴。社内の他システムとの連携を考慮したうえで、自社に適切なITシステム基盤を設計できます。

ただし、利用上限を考慮して高性能な環境を用意しようとすれば、それだけ初期投資費用も大きくなりがち。あとからオーバースペックだったと感じても、簡単に構成を変更できません。

セキュリティの安全性(社内利用・VPN)

イントラネット・VPN・専用線の接続が前提となるオンプレミスは、クラウドに比較してセキュリティの安全性が高いといえます。プライベートな環境で利用されるため、クラウドと比較してオンプレミスの方が処理が高速になる傾向も。

ただし、上述したように、VPNや専用線の接続に対応するパブリッククラウドも存在するため、オンプレミスのメリット面は薄れつつあるといえるかもしれません。

オンプレミスと比較したクラウドのメリット

それでは逆に、オンプレミスと比較した場合のクラウドのメリットとはなにか?簡単に解説していきます。

初期費用を抑えたスピーディーな導入

オンプレミスと比較した場合のクラウドのメリットは、なんといっても初期費用がほぼ必要ないこと、必要なITシステム基盤をスピーディーに導入できることでしょう。

システム利用料、保守費用が含まれた料金のため、月額費用だけを見ればクラウドの方が高額になる傾向があるものの、数百万円の初期投資がいらないのは大きな魅力。必要に応じたリソースだけを利用するクラウドならではのメリットです。

数か月かかることもある基盤構築をスピーディーに完了できるのもポイント。サービスを選んで設定するだけのため、慣れた方なら数分でITシステム基盤を準備可能。事業展開にスピード感の求められる現代では必須の特性です。

コンピューティングリソースの柔軟性

ストレージ容量・CPUリソース・ネットワーク帯域など、コンピューティングリソースを必要に応じて増減できるのもクラウドならではのメリット。管理画面から設定するだけで実行できる簡単さも、オンプレミスと比較した場合のクラウドの魅力です。

もちろん、リソースを増やせばそれだけ従量料金がかさみますが、トラフィックに応じた細かいリソースの増減が可能。使った分だけの従量制とあわせ、ITシステム基盤を活用・運用コストを最適化できます。

オンプレミス・クラウドどちらを選ぶべきか?

オンプレミス・クラウドとはなにか?基本・概要はもちろん、それぞれの特徴、メリット、違いなどが、おぼろげながら理解できたのではないでしょうか?しかし、本記事をご覧になっている方なら、知りたいのは「結局どちらを選ぶべきなのか?」のはず。一概にはいえませんが、ITシステム基盤の選定に悩む方のヒントになるよう、いくつかのポイントを紹介していきます。

オンプレミス向けのニーズとは?

オンプレミスによるITシステム基盤構築に向いているニーズには、以下のようなものがあります。

  • 独自のセキュリティ要件を満たしたい
  • 特殊な社内システムとスムーズに連携させたい
  • 24時間365日、一定以上のシステムパフォーマンスを維持したい

プライベートな環境で専用システムとして稼働できるオンプレミスは、これらのニーズを満たすのに最適。ただし、セキュリティに関しては「VPN・専用線」と接続できるクラウドがあることを忘れてはなりません。ニーズとコストのバランスを見ながら、慎重に検討する必要があります。

クラウド向けのニーズとは?

一方、クラウドによるITシステム基盤構築に向いているニーズには、以下のようなものがあります。

  • 初期費用を抑えてスピーディーにITシステム基盤を用意したい
  • ニーズにあわせてコンピューティングリソースを最適化したい
  • メンテナンス・保守のリソースを削減したい

カスタマイズの自由度という点で、オンプレミスに一歩及ばないクラウドではありますが、選択肢の幅広いサービスが用意されているのも事実。システムパフォーマンス、セキュリティという面でも、VPN・専用線を活用する方法があります。

現代の流れはクラウドファースト

オンプレミスには、クラウドと比較した場合のメリットがあるのも事実。しかし、どちらかといえばクラウドのメリット面が、ビジネスに有効に働く傾向にあるのが現代の特徴です。たとえば、オンプレミスの提供が当たり前だったERP「SAP HANA」は、クラウドを利用する「SAP S/4HANA Cloud」への移行を加速しています。

オンプレミスからクラウドへのマイグレーション(移行)案件が急増しているのも近年の傾向。時代の流れは「クラウドファースト」なのだといえます。

ハイブリッドクラウドという選択肢

クラウドファーストの流れが加速しているとはいえ、すべてをクラウドでまかなうのは現実的ではない場合もあります。オンプレミスからクラウドへの完全移行ではなく、ケースバイケースで両者を組み合わせて活用する「ハイブリッドクラウド」という方法を選択する企業も増えています。

特に、現時点でオンプレミスを運用している企業であれば、クラウドに任せてコストダウンを図れる領域、オンプレミスで維持したい領域をしっかり見極め、使い分けていく方法がおすすめです。

まとめ

意外に奥深いインフラ・プラットフォームの基本も含め、オンプレミス・クラウドの違い、構築形態、メリットなどを解説するとともに、選び方のヒントも紹介してきました。どんなITシステム基盤が自社に最適なのか?ある程度のイメージができたのではないでしょうか?しかし、本記事でも紹介したように、オンプレミス・クラウドのあり方はさまざま、基本的な方向性はつかめても、システムの詳細まで設計するのは専門家に任せた方がベターです。

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