雇用調整助成金の特徴と活用方法を徹底解説

更新日:2019年09月05日 発注カテゴリ: 助成金申請代行
雇用調整助成金の特徴と活用方法を徹底解説

社員を解雇せずに別の方法でコストカットを行った場合に受け取ることができる「雇用調整助成金」。今回はこの助成金の特徴や活用方法を解説していきたいと思います。

関連する記事

雇用調整助成金とは?

企業が業績を悪化させてしまった場合、できる対策は2つ、何とか業績を回復させることと、コストをカットすることです。売り上げ・利益ともに減少している状況の中でこれまでと同じコストを維持しているとますます経営を圧迫してしまうことになりかねません。そんなコストカットの対象になりやすいのが人件費です。

事業の縮小を余儀なくされた場合、従業員に余剰が発生してしまうこともありますし、縮小しない場合でも純粋に人件費を減らすために従業員の解雇することで経営の危機を乗り切る、よく見られるケースです。確か人件費は「削れる」という点ではもっともコストカットしやすい部分ですが、あまり安易に従業員を解雇してしまうと社会全体の雇用不安を招いてしまうリスクがあります。景気が不安定な状況になったときには従業員を解雇する企業が続出し、こうした雇用不安が深刻化してしまうリスクも出てくるのです。

そんな問題を解消するために用意されているのが雇用調整助成金です。企業の業績が厳しくなった場合に従業員を解雇するのではなく、他の方法でコストカットを行った場合に受け取ることができる助成金です。

ポイントは単純に人件費を削らなかったから受給できるのではなく、雇用調整を行った場合に受給できる仕組みになっている点です。たとえば事業の縮小で従業員に余剰が発生した場合でも解雇をせずに休業という形で対応した場合に受給資格を得ることができます。

この休業に加えて教育訓練、出向の3種類の選択肢で雇用調整を行った場合に支給を受けることができますが、このいずれも企業側にコストが発生するのが特徴です。木余剰になった従業員を休業させた場合には休業手当が発生しますし、教育訓練・出向ではそのための費用を企業側が負担することになります。そうした負担を助成金でカバーしよう、というのがこの制度のおもなコンセプトなのです。

雇用調整助成金の受給のための条件は?

こうした目的で設けられた助成金なので受給対象もかなり細かく設定されています。まず大前提として雇用保険を適用している事業所であること、さらに雇用調整の対象になる従業員が雇用保険被保険者であること、6カ月以上継続雇用していること。助成金目当てにまともに働かせるつもりのない従業員を新たに雇う、といったことはできないわけです。

また雇用調整の原因となる業績の悪化についても条件が設けられています。直近3カ月の従業員数が前年同期に比べて増加していないこと。これは先ほども触れた助成金目当ての新規雇用を防ぐ点とも結びつきます。それから直近3カ月の生産量・売上高などの生産指標が前年の同期と比較して10パーセント以上減少していること。

もうひとつ注意したいはあくまで純粋な業績の悪化の際に利用できることです。つまり、事故や災害などで設備が被害を受けて事業を縮小せざるを得なくなってしまった場合には、適用できないことになります。そうした際には別の助成金・補助金を検討するようにしましょう。

雇用調整助成金の手続きの方法は?

業績が悪化しても従業員を解雇せずに雇用調整を行いつつ、なんとか業績の回復を目指して休業・教育訓練・出向させた従業員を元の環境に戻すというのが最終的な目標ですから、手続きの際にはどのような形で雇用調整を行うのかを計画した計画書の作成が必要です。

休業の場合はどの程度の期間休業させるのか、出向の場合には出向先での労働条件などの環境整備が求められますし、教育訓練の場合には実際に行われたことを証明するために受講者に対してレポートの提出が求められます。計画の段階でこうした内容をしっかりカバーしたうえで計画届を作成していきます。

そしてこの計画届をハローワークや各都道府県の労働局に提出します。休業・教育訓練・出向それぞれに計画届と合わせて提出する書類が異なってくるので、その点もしっかり確認しておくようにしましょう。

たとえば休業・教育訓練の場合には出勤簿やタイムカード、出向の場合は出向先の事業所との間に結んだ出向協定や賃金に関する契約などの書類が必要になります。

支給期間は1年間、なお2回以上申請することも可能ですが、2年連続して支給を受けることはできず、1年間置いたうえで再び申請する必要があります。申請期間は支給対象期間の末日の翌日から2カ月後まで。忘れずに提出するよう準備しておきましょう。

なお手続きに必要となった書類は、最低5年間は保存しておく義務が生じるので準備だけでなく管理も忘れないようにしたいところです。

雇用調整助成金はどれぐらい受給できるの?

受給額は休業・教育訓練、出向によって異なります。休業の場合は休業手当の3分の2まで、教育訓練の場合は賃金負担額の3分の2に加えて1人1日当たり1200円、出向の場合は負担額の3分の2。

しかしこれは中小企業の話で大企業の場合は比率が2分の1に減少します。1日の上限は1人につき7810円、休業・職業訓練に関しては1年間で最大100日分、3年間合計で150日分という日数の制限も設けられています。

雇用調整助成金のメリット・デメリットは?

メリットはなんといっても助成金を受け取ることで従業員を解雇するリスクを避けられる点です。従業員の解雇は職場の連帯感を揺るがすだけでなく従業員のモチベーションを削いでしまうなど大きなリスクを抱えています。

簡単にコストをカットできる一方で失うものも非常に多いのです。また何とか業績を改善できて従来の事業規模に戻す、あるいは新規事業に乗り出す場合に、解雇してしまうと改めて人材を補充する必要が出てきます。

その新規作用にかかる時間とコストはもちろん、新しい人材が会社に適応できるかどうか、能力的に活躍してくれるかどうか未知数という問題もあります。雇用調整で解雇を防いでいればこうした問題点を避けることができるわけです。

一方デメリットは事業の削減によって生じた余剰の従業員をいつまで抱え続けることができるかがもっとも大きな点です。先ほどの受給額を見てもわかるように雇用調整によって生じる負担増を助成金ですべてカバーできるわけではなく、制限が設けられます。ですからどうしても解雇するよりもコスト増を覚悟しなければならないわけです。

また先ほどメリットとして挙げた「業績が改善されたときに新たに人員を増やす手間とコストを防ぐことができる」点がデメリットになってしまう面もあります。

業績がなかなか改善されない場合、いつ役立つかわからない従業員をいつまでも雇用し続けなければならないため、厳しい経営状況が長く続けば続くほど人件費の負担が大きくのしかかってくることになります。

まとめ

このように受給の条件や受給額に一定の制限があるため、業績が悪化した際の雇用対策としては限界があるのも事実です。純粋にコストを減らすという点から考えれば解雇の方が早い選択肢という考え方もできるでしょう。

しかしこの制度は雇用調整がもたらすメリットをサポートするうえで非常に大きな魅力を備えています。先ほども触れたように、従業員の解雇がもたらす職場の連帯感や従業員のモチベーションの低下は、たとえその後業績を改善することができてもなかなか回復させるのが難しいものです。

一旦「経営が厳しくなったらすぐに社員をクビにしてしまう会社」というイメージが植えつけられてしまうと、人材採用にも悪影響を及ぼすことになりかねません。

その意味では雇用調整はコストがややかかってしまう面があるものの、企業の信用や従業員の忠誠心といったものを維持、高める上でメリットが見込める選択肢と言えます。

雇用調整助成金はこうしたお金以外のメリットをもたらしてくれる助成金といえるのではないでしょうか。業績改善の見通しがある程度立っている会社なら、間違いなく役立ってくれる助成金です。

比較ビズへ掲載しませんか?

カテゴリ一覧

人気記事

助成金申請代行の最新記事

一括見積もりで発注業務がラクラク!

  • 無料一括見積もりで募集開始
  • 複数の業者・専門家から提案が入る
  • ピッタリの一社を見つけよう

不透明な見積もりを可視化できる「比較ビズ」

比較ビズは「お仕事を依頼したい人と受けたい人を繋ぐ」ビジネスマッチングサービスです。
日本最大級の掲載企業・発注会員数を誇り、今年で運営13年目となります。
比較ビズでは失敗できない発注業務を全力で支援します。

日々の営業活動で
こんなお悩みはありませんか?

営業活動でよくある悩み

そのお悩み比較ビズが解決します!

詳しくはこちら
お電話での見積もりはこちら