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法人口座を開設するために必要な書類と押さえたいポイント

最終更新日:2022年02月14日
有限会社兼子経営
監修者
代表取締役 兼子俊
法人口座を開設するために必要な書類と押さえたいポイント

個人口座に比べて、銀行の法人口座は開設が年々厳しくなっています。法人口座を悪用して振り込め詐欺などを働く輩が増えているのが一つの原因でしょう。そのような悪用を防ぐため、銀行では法人口座の開設の希望者に対して、ちゃんとした法人なのかチェックするためにさまざまな書類の提出を求めています。審査に時間も必要なので、事前にしっかり準備しておかないと口座開設を断れるやもしれません。そこで、法人口座を開設する時に知っておきたい注意点などをお伝えします。

法人口座とは

法人口座とは法人名義で持っている銀行口座のことです。

法人を設立したら自動的に作成されるといった類のものではなく、口座を開設したい金融機関に足を運んで、必要書類を提出したうえで作成する必要があります。

口座の開設自体は個人の口座を開設するのとそう大きな違いはありませんが、個人口座の開設は基本的に書類を提出すればすぐに作成してくれるのに対し、法人口座の開設の際には審査が行なわれます。

審査の期間は金融機関により異なりますが、1週間程度は見ておいたほうがよいでしょう。

法人口座を開設するメリット

法人口座を開設するメリットには以下のようなものがあります。

経理業務が楽になる

法人口座を開設して個人のお金と区別することにより、取引先との入出金が楽になる他、税金関係の手続がやりやすくなります。

事業が大きくなり取引先が増えてくれば、経理業務も膨大になっていってしまい、そこにかけるコストも大きくなります。

法人口座を開設してしまえばこうした問題を解消できます。

法人名義のクレジットカードを使えるようになる

法人口座を開設すれば、法人口座と紐づいた法人名義のクレジットカードを作成できます。

法人名義のクレジットカードにはさまざまな特典がつけられていることも多い他、毎月取引明細が送られてくるため、経理業務をさらに楽にする効果も期待できます。

取引先から信頼を得やすくなる

法人相手の取引の際に、入金を指定する口座が個人名義だと態度には出さないまでも、少し下に見られたり、場合によっては取引を断られたりといった可能性も出てくるでしょう。

法人口座を作成することで、上記のような心配がなくなります。

法人口座を開設しないデメリット

法人口座を開設しないデメリットとしては、個人事業主とは取引を行っていない大手企業から取引を断られたり、金融機関との融資の交渉の際に対法人取引と見なしてもらえず、交渉に不利となったりする可能性があるでしょう。

また、法人を持っていてたとしても個人名義の口座で取引すること自体は可能ですが、取引先からは脱税を疑われるかもしれません。

さらに、税務署からも目をつけられやすくなってしまうでしょう。

法人口座開設に必要な期間

個人口座なら、書類に不備がなければほとんど誰でもすぐに開設できます。銀行の窓口で申し込めばそれほど待つ必要もありません。以前は個人口座と同じように法人口座も比較的簡単に開設できていました。しかし、今はどこの銀行でも法人口座の開設には一定の審査が必要です。

窓口で申し込んでその場で開設とはいかないことに注意してください。その理由は冒頭でも触れた悪用を防ぐためです。実際、行政からも銀行側に指導が入っているようなので、審査が終了するまである程度は待たなければならないことは覚悟しておきましょう。

そこで、おもな銀行の法人口座の開設までにかかる時間をまとめておきます。審査期間についてホームページに詳しく記載されていない銀行もありますが、2018年現在の目安は以下の通りです。

ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行では、審査に約2週間かかるとの記載がホームページにあるので、口座開設までに少なくともそれ以上、3週間程度は見ておいた方がよいでしょう。

みずほ銀行

みずほ銀行では一次審査にかかる時間が最長で1週間とあるので、2週間程度あれば開設できると推定されます。

三菱東京UFJ銀行

三菱東京UFJ銀行には期間について記載がありませんが、審査の前後に2回来店しなければならないことは明記されています。

ネットバンク

ネットバンクでも審査には一定の時間が必要で、楽天銀行と住信SBIネット銀行が2〜3週間、ジャパンネット銀行が10日から2週間です。なお、以上の日数はいずれも必要書類を提出して審査が始まってからの期間ですので、実際に開設する時は書類の用意にかかる時間も見ておかなければなりません。登記事項証明書を取得するのに会社の設立から1〜2週間はかかるものですから、それを考えると、会社を設立し、必要書類を準備して、銀行に申し込んで審査が終了するまでに1カ月程度は見ておいた方がよいでしょう。

会社設立と同時に取引先とお金のやり取りが発生することがわかっているのであれば、設立前からしっかりスケジュールを立てておかなければなりません。

法人口座を作るタイミング

法人口座を作るのはどのタイミングがよいのでしょうか?

会社設立後はやることが多く、必須ではない法人口座の開設は後回しにしたいと思う方も多いでしょう。

しかし、先述の通り法人口座を開設しないでいると取引を断られてしまう可能性があるなどデメリットが生じてしまいます。

会社の設立手続を始める前に金融機関に連絡を取り、あらかじめ必要書類等を用意しておけば、会社設立後の忙しい中でも手続きを進めやすくなります。

法人口座の開設で必要なもの

  • 口座開設の依頼書
  • 登記事項証明書・定款
  • 代表印・銀行印と印鑑証明書
  • 本人の身分証明書

銀行の法人口座を開設するにはいくつか書類が必要です。銀行によって若干の違いはありますが、まず銀行に備え付けてある口座開設の依頼書が必要です。これは銀行に行けばすぐ手に入りますが、時間がかかるのは登記事項証明書(登記簿謄本)です。

書類の取得自体は法務局に行けばすぐにできますし、オンラインでの取得も可能なので郵送されてくるとしても数日あれば用意できます。ただし、先にも少し触れたように、登記事項証明書を取得できるようになるのは会社設立から1〜2週間後です。

また、法務局に届け出た法人の代表印と代表取締役の印鑑証明書も必要なので、法務局に出向く必要があります。あとは、認証を受けた法人の定款、口座を開設する本人の身分証明書、銀行印なども必要で、銀行によってはそれ以外にも書類の提出を求められることがあるので、いずれにせよ目当ての銀行がある時は早めに確認しておきましょう。

法人口座の開設における審査ポイント

審査ポイント(1)事務所の所在地と固定回線の有無

以外と感じられるかもしれませんが、法人口座の開設では事務所の所在地もポイントとなります。

バーチャルオフィス等で事業を行なう場所と違う都道府県に事務所があるようなケースでは、このことを理由として法人口座の開設を断られる可能性もあります。

これは、ペーパーカンパニーである可能性がることを懸念されるといった理由の他、金融機関ごとに定められた営業エリア外に本社所在地があることが原因として考えられるでしょう。

また、固定回線がないことを理由として法人口座開設を断られるケースもあります。

開設に向けた対策

対策としては、事務所の所在地を営業エリアとする金融機関や、バーチャルオフィスでの口座開設でも受け付けてくれる金融機関を事前に探しておくとよいでしょう。

事業を行なうのとは別の場所にバーチャルオフィスを構えているようなケースでは、法人口座開設に向けて事業を行なう場所に事務所を移転することも考えることも検討してみましょう。

固定回線については法人口座開設要件に入っていることもあります。

固定回線を引くのにもお金がかかるため、どうしても開設したくないのであれば、あらかじめ固定回線なしでも口座を開設できる金融機関なのかを確認しておくことをおすすめします。

審査ポイント(2)会社の事業目的

法人設立時には定款に事業内容を書きますが、あまりにあれこれ事業内容を入れ込んでしまうと審査の際に不信感を持たれてしまうこともあるようです。

開設に向けた対策

事業目的に関する対策としては、あまり不必要な事業目的を入れないようにすると共に、ホームページを開設したり、事業計画書を作成したりして法人口座開設時に事業内容を分かりやすくしておくとよいでしょう。

審査ポイント(3)資本樹の額

1円からでも株式会社を設立することはできますが、法人口座開設の際には不信感を持たれてしまうことが多いようです。

金融機関によっては口座開設に必要な最低資本金額が設定されていることもあります。

開設に向けた対策

資本金の額が少ない法人で法人口座を開設したい場合には、あらかじめ金融機関に必要な資本金の額を確認しておくとよいでしょう。

また、資本金の額は大きい程安心されやすいです。最低でも100万円程は入金しておくことをおすすめします。

法人口座開設にオススメの銀行

都市銀行、地方銀行、ネットバンクと法人口座を開設できる銀行を3つにわけておすすめを考えていきます。

都市銀行

まず、取引先からの信頼が絶大なのは都市銀行ですが、審査が最も厳しいのがネックです。時間もかかりますが、信用力が高いだけに審査が厳しくなるのは仕方のないところでしょう。

そのほか、振込手数料の高さもデメリットに数えられます。しかし、いったん法人口座を開設できたら、請求書にもその銀行の名前を記載できるわけですから、取引先へのアピール力は強いです。大企業との取引や全国の顧客を相手にする場合は第一の選択肢としておすすめします。

地方銀行

地方銀行がおすすめなのは、その銀行のエリアがおもな活動範囲の会社です。都市銀行より地域との密着度合いは高いですから、地元で営業する会社にとってネームバリューになります。会社が首都圏にあるのならあえて地方銀行をおすすめしませんが、そうでない場合は、審査は都市銀行ほど厳しくないですし、融資の相談もしやすいのでおすすめです。

ネットバンク

審査に通りやすい点でおすすめなのはネットバンクです。会社を設立したばかりでも開設しやすいですし、もろもろの手数料が都市銀行などと比べて安いのもメリットになります。おもなネットバンクには楽天銀行、住信SBIネット銀行、ジャパンネット銀行の3つがありますが、それぞれの特徴を簡単に見ておきましょう。

楽天銀行

楽天銀行がおすすめなのはネットショップを運営する会社などです。他の楽天のサービスともつながるのでいろいろなメリットが受けられるでしょう。

住信SBIネット銀行

住信SBIネット銀行のおすすめポイントは、他行からの振込件数やデビットカードの利用金額などの条件により振込手数料が月10〜20回無料になるところです。

ジャパンネット銀行

最後にジャパンネット銀行ですが、携帯電話番号しかないような会社におすすめします。ネットバンクの審査が厳しくないと言っても、楽天銀行や住信SBIネット銀行では固定電話が必須ですので、携帯電話番号しかない会社にとってはおすすめというより唯一の選択肢と言ってよいかもしれません。

まとめ

銀行の法人口座の開設は、法人設立に関する作業のなかでもかなり面倒です。開設までに時間もかかるので、前もって必要書類を揃えるなどスムーズに開設手続きが行えるようにしておきましょう。

監修者の一言

昨今の規制緩和の時代に、行政は規制強化をしている項目があります。それがこの法人口座開設です。マネーロンダリングに使われる口座は作らない、それが規制強化の要因の一つであるといわれています。

その内容は、暗号資産(仮想通貨)の利用は盛んになっていることから、悪いハッカーがあるシステムに不法侵入を行い仮想通貨を盗み取る。それをマネーロンダリングにかけて違法に獲得した通貨であることの痕跡を消す。そこに法人口座が利用される、ということのようです。

そのため、法人口座開設の審査が厳しくなっているという今の状況が現れているようですが、当掲載記事はその変化にマッチした内容になっていますので、これからのスムーズな法人口座開設に役だつものと思われます。

またバーチャルオフィスから始める起業家の方、ケータイのみで固定電話を持たずに事業をされておられる個人事業主の方、今事業をしているけれどこれからWEB・SNSを本格的に利用しようと思っておられる経営者の皆様にはお薦めの銀行等も紹介されています。こちらの内容もご利用ください。

有限会社兼子経営
代表取締役 兼子俊
監修者

埼玉大学電気工学科卒業、同専攻科修了後、製造業に勤務し、広島で中小企業診断士の資格取得を機にコンサルティング会社を起業する。現在起業より24年目になるが、当初は経営の営業、製造等の個別の機能、ISO取得等をコンサルティング支援していたが、約十年経過後ISO関連事業を協力者に譲り、当初独立の目標であった経営・事業支援を中心に事業活動をはじめ現在に至る。この間広島中小企業診断協会の理事、専務理事、現中小企業基盤整備機構のチーフアドバイザー、中国経済産業局の事業評価委員などを務めた。特に経済産業局の事業評価委員の6年の経験はのちのコンサルティングに大きな影響をのこす。経済産業省中国経済産業局、財務省中国財務局の認定になる「経営革新等支援機関」として昨年再認定をいただき、活動している。個人としては中小企業診断士、ITコーディネータの資格を持ちコンサルティングに勤めている。

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